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からだの仕組み 1

ハムスターの体は人間と比べると小さいのですが、人間と同じほ乳類なので、ミニチュアのように小さい部品でできているだけで、人間とあまり変わりません。しかし、部品が小さいから低機能なのではなく、人間より高機能なところも多く、人間にはない器官もあり、全体的な機能をトータルすると、ハムスターの情報収集機能が、人間より勝っていることも分かります。
人間より性能が良いということは、周りの情報を得やすいということですが、人間よりストレスを受けやすいということでもあります。

人間と同じほ乳類なので、なんでも人間と同じかと考えるのではなく、体の仕組みに少しでも違いがあるのは、生きる方法や、感じ方、考え方も違うということです。その違いが分かれば、ハムスターは接するより、観察した方が楽しいペットだと思うことができるだけでなく、早く病気に気付いたり、正しい飼育方法に気付けると思います。

ハムスターの目

視界

  • 人間の視界は、水平方向(横向き)に150〜170度くらい見えますが、ハムスターは270度くらいだと言われてます。視界が広いからといって、視界の中の物が常に見えている訳ではなく、何かに集中していると見えていないこともあるので、気をつけてください。
  • 人間の目は前向きに付いているので、物を立体的に見えますが、ハムスターの目は横向きに付いているので、立体的に見ることが苦手です。物を立体的に見えないので、高さが分からずに、高いところから落ちたり、飛んだりして、ケガをすることがあります。登ることより、潜ることに適している動物だと考えましょう。
  • ハムスターは目が上向きに付いているので、上は見えるのですが、下は見えません。ヒゲを使って、下方向の視界を補っています。上がよく見えるように目が付いているということは、天敵に上から襲われやすいということでもあります。天敵と間違えられないように、ハムスターを掴む場合は、上からではなく、ハムスターが最も相手を確認しやすい、正面からにしましょう。
  • 角膜領域が広いので、黒目がちな黒々とした目をしています。白目もありますが、ほとんど見ません。
  • ハムスターは近眼で30cm以上離れると、よく見えないらしいです。

色覚

  • 人間の視細胞には桿体(かんたい)と錐体(すいたい)があり、桿体は明るさを感じ、錐体は色を見分けます。ハムスターには錐体が少なく、人間のように色を感じませんが、人間より桿体が発達しているので、暗いところでもよく見えます。
  • 色は2色くらいしか判断できないと言われていますが、白黒程度にしか見えていないようです。

構造

  • 眼球は眼窩(目玉が収まっている骨の穴)にルーズに収まり、まぶたが薄く弱いために、保定などをすると、簡単に目玉が飛び出してしまいます。しかし、眼球がルーズに収まっているだけなので、眼球が脱臼をすることもなく、ほとんどの場合は自然に戻ってしまいます。
  • 通常の状態でも、目が体から少し飛び出しているので、ケージが狭かったり、ケージが汚いと、角膜を傷つけてしまうこともあり、目の疾患の原因になります。
  • 人間と同じように、目を閉じることができます。しかし、性能の低い目を閉じることができるだけで、他の鼻や耳、ヒゲなどは寝ていても使用できる状態になっています。
  • カメラのフラッシュを使っても、瞬きをすることも目をそらすことも逃げることもなく、フラッシュの光には反応しません。しかし、フラッシュから出る音には反応するので、カメラで撮影する場合は気をつけましょう。

目については、人間の方が勝っているように思いますが、広くボヤッとしか見えないハムスターが勝っている場合もあります。人間の場合は視界に何か写った場合に、目でそれが何かを確認して、脳で判断してから行動します。これには、視界に写った物が何かを知っている必要があるし、少し時間がかかります。広くボヤッとしか見えない目だと、視界に写った物が何かを判断したくてもできないので、何かの陰が視界に入ればとっさに反対に逃げれば良いのです。この方が、効率よく敵から逃げられ、襲われる事の多い動物が持っている、効率の良いシステムなのです。この役割を、さらに発達させたシステムは昆虫の複眼です。
目に写った瞬間に行動するシステムは、飼われているハムスターの気持ちによって、良くも悪くもなります。たとえば、寝ぼけていたり、気が立っているときだと、視界に飼い主の手が写ったときに、敵だと判断して逃げたり、噛んだりする場合もあります。しかし、なついていると、視界に何か写るだけでエサだと思って、走ってくる場合があります。

ハムスターの鼻

嗅覚

  • ハムスターの嗅細胞は、人間の40倍以上もあります。
  • 食料を探したり、足跡やなわばり、相手が発情中かなどを、嗅ぎ分けられます。
  • ニオイは変化を感じる器官で、麻痺しいやすい器官でもあります。
  • 嗅覚は原始的な器官で、ニオイはイメージと同じように脳に記録され、イヤなことがあった時に臭ったニオイなら、ニオイがきっかけになりイヤな気分にもなってしまいます。
  • ハムスター同士でも、相手の体のニオイを確認し合います。相手が気に入らない存在だと分かると、敵意むき出しで飛びかかることもあるので、ニオイの嗅ぎ合いをしてからケンカになることもあります。
  • ハムスターは人間のニオイを嗅ぎ分けられるので、ニオイで飼い主かどうかも判断できます。しかし、人間のニオイを嗅ぎ分けられるために、仔ハムに人間のニオイが付いてしまうと、親が子供を殺すことがあるので気をつけましょう。
  • ハムスターはニオイに対して非常に敏感で、人間には無臭でも、ハムスターはニオイを感じていることがあります。また、人間にはイイ香りでも、ハムスターにとっては、耐えられないような悪臭の可能性があります。お香や芳香剤などの他にも、ニオイを放つ物はたくさんあるので、ハムスターのいる部屋は、なるべくシンプルにしてください。

呼吸

  • ハムスターも口で呼吸できますが、口での呼吸は苦手でなので、主に鼻で呼吸をします。

呼吸

  • 性フェロモンは、ヤコブソン器官(鋤鼻(じょび)器官)が主に感知します。
  • フェロモンは臭うというより、感じる器官だそうです。少し臭うというアナログ的な感じではなく、フェロモンが出ているか出ていないかをデジタル的に感じているのかもしれません。

ニオイのコミュニケーションのおもしろいところは、相手が居なくても、相手や状態を確認できることです。目で確認する場合は、相手が目の前にいないと分からないし、隠すのが簡単なので相手の状態まで確認できません。また、ニオイの薄れ方によって、相手が居た時間まで特定することができます。しかし、ニオイは空気に乗って移動するので、飼い主にとっては完全に遮断できないやっかいな物でもあります。
ハムスターだけでなく人間も、ニオイを放つのは自己アピールで、ニオイを嫌うのはその相手を嫌うことです。この事を理解していると、ほとんどのニオイのトラブルは解決できると思います。

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