日射病(にっしゃびょう)・熱射病(ねっしゃびょう)・熱中症(ねっちゅうしょう)
仰向けに寝ている姿は、ハムスターにとって危険な状態です。
ハムスターは暑さに弱いため、熱射病は夏の突然死の一番多い原因です。
ハムスターは屋外に出ることはなく、温度や日当たりさえ注意していれば、簡単に防げる事故です。しかし夏は連休の後にこのページのアクセスが急に増え、毎年かなりのハムスターが亡くなっている証拠です。
症状
- ぐったりしている。
- 呼吸が荒くなる(呼吸で体が揺れて見える)。
- 歩き方がよろよろする。
- 体が熱い。
熱射病とは、暑さで体温調節ができなくる状態で、早く治療しないと、脳細胞が破壊されたり、心臓に負担がかかり、そのまま亡くなることがあります。
日射病は暑い日に太陽の光に当たりすぎると、頭がぼ〜っとするやつです。ハムスターは人間のように汗をかけないので、日射病も危険です。
熱射病と日射病のことを合わせて、熱中症といいます。
原因
- 室温が高すぎた。30℃を超えると、短時間で熱射病になります。
- 直射日光を浴びた。ハムスターは夜行性なので、直射日光にたえられるのは5~10分が限界です。
治療
- ハムスターを水で濡らすの厳禁なので、固く絞ったタオルや、冷やしたタオルで体を冷やし、すぐに病院へ連れて行きましょう。
- 外出先で冷やす物が用意できない場合は、冷たい缶ジュース(自動販売機だと5度くらい)を使う。ハムスターは小さいので一時的になら体を冷やせます。
- 正常な体温近く(40度以下)にすればよいので、冷やしすぎないように!
- 酸素吸入。間違えると危ないので動物病院で。
予防
- 25℃以下で風通しがよく、直射日光の当たらない場所にケージを置く。
- ストーンベッドなどペット用品では気温以下に下がらず、保冷剤をうまく利用しても数時間だけ2〜3度下がる程度です。エアコンを使いましょう。
- 25度の車内でも10分で35度、1時間で50度まで上昇することがあり、通院など移動中は暑くなくてもエアコンを切らないこと。
- 数日間、家を空ける場合はペットホテルや動物病院などに預ける。
アドバイス
口が開いているので少し危ない。
肥満の個体や、心臓や腎臓に病気がある個体は、特に暑さに弱いです。
肥満になりやすいジャンガリアンハムスターのパールホワイトやプディング、体温調整が苦手なゴールデンハムスターのロングヘアー、ロボロフスキーハムスターは元々体毛が長いため、特に注意しましょう。
体の大きな個体(肥満ではない)より小さな個体の方が体力が無く弱いため、痩せてきたら注意する。
体調に影響するので、1年目は大丈夫でも2年目以降は油断しないようにすること。
大切なのはハムスターが過ごしている巣箱の中の温度です。木や段ボールの巣箱は断熱効果が高く、クーラーを使っていても置く位置によっては温度が下がりにくくなります。
ブドウやモモなどの果物や冷たい物を食べさせると、お腹を冷やし逆効果になることもあるので、食べ物で体温を下げることは止めましょう。健康ならたまに与える程度なら大丈夫。
仰向けに寝る理由と同じく、温度に敏感なお腹を冷やそうとするため、自律神経が乱れ下痢をしやすくなります。
涼しい時間にミルワームを与えるなど、体力が付く食べ物の方が良いです。
食欲がなくなったり、回し車を走らなくなったり、活動時間が変わったりと、温度に対する行動の変化は初心者でも分かりやすいのですが、自分は大丈夫だから、電気代がもったいないからといった理由で、暑さを甘く見る飼い主が多い様に思います。
見る人が見れば虐待なのですが、仰向けや横向きに寝ているハムスターを見て、かわいいとしか思わないのは典型的な例だと思います。
特にハムスターは体力が少ないため、気づくと手遅れになってることもあり、外出中など自分で見られないときこそ注意しましょう。
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