もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

散歩の準備・回数・時間・合図・危険な物・間違った散歩

散歩2ページ リード画像

ハムスターが何をしたいのか理解して準備すれば、トラブルが減り散歩が楽になります。

ハムスターが部屋の中を縦横無尽に歩いたり、目の前で休憩したりと、散歩は一緒に生活していると実感できる時間です。
しかし、犬の散歩ように飼い主がルートを決めて連れ歩けず、リードを引っ張って指示もできません。
散歩の間は放し飼い状態になり、本能や習性に任せて部屋の中を自由に歩かせるため、準備と飼い主の知識が大切になります。

このページは「散歩とは・ケージの外に出たがる理由」「散歩の準備」「散歩中に注意すること」「ケージへ帰ってもらう方法」の2ページ目です。

間違った散歩方法

ゲームもオープンワールド(自由に探検できる)の方が楽しいですよね。ハムスターの体毛が静電気式のボタンに反応することを知って、撮影したヤラセ写真です。コントローラで遊んでいるのは自主的な行動なので、次のあなたの対戦相手は我が家のハムスターかもしれません。

リード・野外

ハムスターに首輪とリード(紐)を付けて、野原を散歩させる方法が載っている飼育書が昔ありましたが、絶対に家の外には出さないでください。ハムスターのように弱く、縄張りを持つ動物は、全く知らない連れて行かれると、何が起こるのか予測できないので、常に警戒し、ストレスが溜まります。
またハムスターは、猛禽類の存在も知っているので、天井が見えないだけでストレスになっている可能性もあります。通院以外では家の外に連れ出さないようにしましょう。

ハムスターのように凹凸に少ない体では、無理矢理締め付けないと首輪は付けられず、リード(引き紐)が引っかかり窒息してしまうことがあります。

サークル

ハムスターの行動範囲をサークル(柵)を使って狭め、その中を散歩をさせている人もいます。この方法も間違っています。
サークルで囲むと、ケージが狭いときの問題が散歩中に起こります。

ハムスターはケージの中にいても、音や風の動きなどで、ケージが置かれている部屋の構造を、大まかに理解しています。人間に例えると、自分の部屋の窓から、気になる建物が見える状態です。
ハムスターでなくても、それが何か知りたくなりますが、ハムスターは臆病な動物なので、人間とは比べものにならないくらい気になります。これも人間に例えると、そこが楽しそうなレジャー施設なのか、おいしい物が置いてあるのか、怖い人が住んでいないかなどです。
ハムスターはそれが自分に対して、どう影響するのか気になり、確認したくてたまらない状態なのに、近くまで来ているのに行けないとなると、さらにストレスが溜まってしまいます。
そもそも、そのことを確認しに行くことが散歩の目的です。

人間の赤ちゃんでも、ベビーサークルに満足できるのは一瞬だそうです。
ワンルームマンションなど部屋にドアがなく、玄関に行くと危ないなどの理由がある場合は、サークルを壁として使う必要があるかもしれませんが、そうでない場合は、サークルを買うお金とスペースがあるのなら、大きいケージを買ってあげましょう。

ハムスターボール

透明なボールにハムスターを入れる、ハムスターボールという拷問器具の様な危ない飼育用品がありますが、これも使用しないようにしましょう。
上手く止まれないので、ぶつかって骨折したり爪を折ったりするだけでなく、ストレスも溜まります。
土足文化のある国で、ハムスターに泥や細菌が付かないように考えられた飼育用品だと思います。日本の部屋は狭いし清潔なので、真似しないようにしましょう。

部屋の外には出さない

ケージの中から認識できる空間だけを散歩させます。具体的にはハムスターを飼っている部屋です。
しかし、好奇心の方が強い個体は、わずかな隙間があると出て行こうとします。どんどん巡回範囲が広がって、危険なだけでなく散歩時間も長くなりいろいろ大変です。家の外に可能性があるため、窓にも注意しましょう。
ケージを開けっ放ししてもケージから出て行かないように、散歩部屋の扉を開けっ放しでも出て行かない個体もいますが、縄張りと行動圏の違いがあり、出て行こうとする個体が多いです。
人間を怖がらない、懐きやすい個体は、警戒心が薄いため部屋から出て行ってしまいやすいです。

出すのは1匹だけ

基本的に、散歩に出すハムスターと飼い主の2人だけで。
同じケージで飼われていても、仕方なく一緒に過ごしているだけのこともあり、ケージの外で自分だけの縄張りを作ろうとする可能性があります。
肉食動物は論外ですが、インコとハムスターなど行動範囲が違う動物だと問題が起こらないこともあります。しかし、互いのケージ(縄張り)に近づきすぎると、ケンカになることはあります。

日中は散歩に出さない

飼い主にばれないように、昼に脱走しようとしている可能性があります。
夜行性の動物なので、普通は昼に活発になるとはありません。飼い主の生活が、昼夜逆転している場合には特に気をつけましょう。

1日何度もケージの外に出す

ケージから出すのは、散歩と掃除と通院のみ。
ハムスターに呼ばれても、出さないようにしましょう。
散歩の回数については別コラムにあります。

散歩中トラブルを起こしやすい個体

人間は誰でも恐がらず、ケージの外は恐がる個体です。好き嫌いもしないため、何でも口に入れようとしてしまいます。

懐きにくい性格の個体は本能が強いため、懐いて脱走しないのなら、散歩中のトラブルは少ないです。
下記の性格や行動は、ジャンガリアンハムスターに多い性格でもあります。
散歩に慣れないうちは、どの個体も多少のトラブルを起こしてしまうため、ハムスターが動く音を聞いて散歩中はどこにいるのか把握しておくこと。

マイペースな個体

普段は扱いやすいマイペースな個体は、散歩になるとトラブルを起こしやすい性格です。
危機感が少ないため、覚えも悪いです。

  • 人間をあまり怖がらない。懐くまで期間が短い。購入したその日から人間を怖がらないなど。
  • 時間にルーズ。エサの時間になっても起きていない。世話をしている音に気づいて寝ぼけながら出てくる。
  • 毛変わり種。特に毛の長い、毛色の白い個体などは、上手く体温を調整できないなど原因が自律神経にあって、病気になりやすい個体もいます。散歩中の行動が季節によって極端に変わったりするかもしれません。
  • どんくさい。落下したり、注意力が散漫ですぐに驚くなど。体質や病気で頭や体が上手く働いていないなど、視点を変えて観察しましょう。

好奇心が強い個体

覚えが早い個体もいますが、経験より好奇心が勝り、忘れた頃に同じ事をしてしまいます。

  • 何を与えても食べようとする。偏見や本能的な好き嫌いがない。
  • ケージの外が騒がしいと、ケージ出口付近まで出てきて確認しに来る。巣箱から半身を出して覗き込む程度の行動は、ケージの中が安全だと思っている個体ならします。

若い個体

恐がりなのに好奇心が強く、それでいて飼い主の考えも理解してくれません。

散歩の回数

毎日1度の散歩を習慣づけていると、二度目以降は飼い主を呼んでも必死さが足りません。

野生では本来は1日に2回の巡回をします。

  • 夜。エサ探しやパートナー探しなどの為の本格的な巡回。
  • 明け方。寝る前に寝床が安全か確認するための巣穴周辺の巡回。

しかし明け方の巡回はケージの中だけで済ませるため、ペットとして飼われているハムスターは散歩に出たがることはありません。そのため1日1回です。
ケージの外を恐がるロボロフスキーでも、寝る前にはケージの中や巣箱の周りを簡単な巡回します。
明け方にケージの外に散歩に出たがる個体は、ケージの外も巣穴だと思ったり、ケージの中が安全だと思っていない可能性があります。

夜に何度も出たがる個体もいますが、無視しましょう。ただケージの中は暇で、散歩くらいしかすることがないから、散歩に行きたいと思っていることが多いです。
寒くなってくると、散歩に出てみたはいいけど寒いのですぐに帰る。しかし巣箱の中で体が温まったら、また散歩に出ようとすることを繰り返す個体もいます。
それだけ、散歩がハムスターにとって楽しみだということです。
何度も散歩に出たがる場合は、翌日の散歩時間を長くしてあげましょう。

飼い主の影や音が気になって眠れないため、散歩に行きたがっている可能性もあります。
ケージが近いとさすがに気づかれますが、飼い主の行動パターンを覚えていても、明かりを消したり動き回らないようにしてゆっくり眠ってもらいましょう。
生活のリズムが崩れると、変な時間に寝起きするようになり、後々大変です。

散歩の合図を覚えさせている最中なら、ケージの扉を開けて、巣箱の方に掴んで戻します。飼い主は気づいてくれるけど、何度も散歩には出られないことを覚えてもらいます。
呼ばれたら必ず1日1回は散歩に出し、何度もハムスターが飼い主を呼んでいるのに、全く散歩に出さない日が無いようにしましょう。
合図を覚えている個体を毎日散歩させているのなら、無視しても合図を忘れるようなことはありません。

ハムスターも頭では理解しているようで、一度目の散歩と違い、二度目以降は飼い主を呼んでも直ぐにあきらめて巣箱へ帰ってしまうことが多いです。
この時のハムスターは体調も良く大人しいので、私は二度目の散歩に呼ばれると、罰の代わりに詳しく健康チェックすることがあります。

散歩の開始の時間

背伸びは準備できてなかった証拠です。この時は背伸びだけでなく巣箱からショートカットして、近づいてきました。この状態の時は散歩に行こうとしないため、ケージから出しません。

体の機能を100%使えるように、起きてから溜めてあるエサを少量食べて、トイレや毛繕いを終わらせて、体が温まってから散歩に出ます。
飼い主が毎日エサの時間を決めていると、その時間に合わせて寝起きするようになり、散歩の時間がいつも同じ時間になる個体は多いですが、深夜を過ぎていたり飼い主や寝ていても、飼い主を呼んで散歩に出ようとする完全にマイペースの個体もいます。
マイペースな個体でも、体が一番活発なときに一番楽しいことをしようとするため、散歩に行きたがる時間は、18〜24時までの間です。我が家では散歩の時間が19時〜22時になる個体が多いです。
飼い主の帰宅時間にバラツキがある場合でも、できるだけ同じ時間に散歩できるようにしましょう。

いつもと違う時間に散歩に出ようとしたら

早い時間に散歩に行こうとする個体はいないと思いますが、変な時間に散歩に出ると中々帰ってこず、部屋の中を追いかけ回す羽目になって、ハムスターとの関係が悪くなることもあるため、基本的には無視しましょう。

散歩の時間が変わる個体も、季節や温度によって少し時間ずれる程度です。
前日より1時間以上遅いのなら、病気を疑いましょう温度が影響していることが多いですが、時間通りに体温を調整できない体質や飼い方が問題かもしれません。

ベストな散歩パターン

  1. 夕方以降に起きて、トイレや毛繕いを終え、前日与えたエサを食べて、巣箱の中で世話の時間を待っている。
  2. 飼い主が散歩のためにケージを開ける。待ってましたと出てきて散歩開始。
  3. ハムスターが散歩中にトイレ掃除。縄張りを荒らされたと思う可能性もあるため、臨機応変に。
  4. 散歩が終わり、ハムスターが飼い主を呼びに来たら、捕まえてケージに戻す。
  5. 散歩から帰ってきたら、エサを与える。
  6. エサの保管場所に運び始めたら、ケージの扉を締めて終了。

散歩に行きたがらない日があったり、エサ(世話)の時間を基準に寝起きする個体が多いため、私もこのパターンが使える個体は少ないです。

散歩に必要な時間

散歩から帰らない無理矢理ケージに戻したら、水槽ケージの壁越しにさっきまで居た所を悲しげに見つめて座っています。どれだけ外に興味があるのか分かりやすい写真です。座っているのは、そこから動きたくないからで、耳がこちらを向いているので、すねているのかもしれません。

散歩させる部屋の大きさや、ハムスターの飼い方、性格などによって違うので、様子を見ながら時間を調節する必要があります。
ちなみに我が家だと、散歩慣れした個体の散歩の時間は20〜30分くらいです。

初めてハムスターを散歩に出すと、まずどこかに隠れようとします。隠れた場所で、自分の居場所が把握できると、身を低くし緊張しながらあっちこっちを探検し始めます。さすがに勤勉なハムスターでも、最初から部屋全体を巡回できないので、部屋を1周回ったら、その日は終わりです。

ハムスターは散歩に慣れてくると、少しずつ行動範囲を広げていきます。興味のある場所は熱心に偵察し、安全だと思った場所を飛ばしたりしますが、だいたい散歩時間は決まってきます。巡回に必要な時間ではなく、ハムスターが集中できる時間なのかもしません。
寒かったり、めんどくさくなると、早めに切り上げることもありますが、久しぶりの散歩だと長くなることもあります。

まだ散歩をしたいときに飼い主が近づくと、近くの物陰に隠れます。そして、音と臭いで安全だと思うと、また一目散に目的の場所に移動したりします。
散歩馴れしていると、どこが安全なのか理解しているので、この時は部屋の真ん中を横切ることもあり、回し車を走るよりも速いスピードで走る事もあります。
散歩を終えてからも回し車を走ったり、巣箱や回し車に登ったり、ケージの外や飼い主を観察しているようなら、散歩時間が足りていません。

散歩かどうか確認する方法

ケージの横にあるのはトイレ砂のストッカーで、その向こうが気になるようです。右耳だけ立てて音も気にしています。

エサが欲しいなど、飼い主に用があるときと同じ行動をするため、慣れても難しいかもしれません。
まずは散歩を開始する時間を覚えてもらって、時間と合わせて判断しましょう。

ケージの中での行動

  • ケージを囓って壊して自分から出ようとする。散歩目的でケージを噛む場合は、散歩に出してもらえると思うと、すぐに噛むのを止め、飼い主の方を向きます。ケージを壊したり、気を引くために囓っているので、注意しましょう。
  • 音を立てて飼い主に気づいてもらおうとする。
  • 毎日トイレの掃除をしていると、トイレと一緒にケージからでしょうとするため、トイレを移動させても中から出ません。落としたり壊れたりするため、止めさせた方が良いです。
  • 巣箱の上やケージによじ登るなど、飼い主に見つけてもらいやすい場所で待っている。
  • 回し車を走ったり、ケージの出入り口で待機したりと、飼い主が気づくとすぐに出られる様に準備している。
  • 通気口があるケージなら、通気口から入ってくる臭いや音を気にしている。

エサが欲しいときは、飼い主だけを見ています。散歩をしたいときは飼い主に気づく前は遠くを見ていても、飼い主が近づくと飼い主を見ながら寄ってきます。出入り口のないケージの奥側で、壁を向いているなど。
ケージの出入り口付近やケージの角は涼しいので、ボーッと涼んでいるだけことがあります。半分寝ている時があり、掴もうとするとトラウマになります。

掴む前

  • 手をかざすと、指を臭いを嗅ぎに来たり、手を避ける場合はエサが欲しいとき。
  • 手をかざして、力を抜く、立ち上がろうとするなど、飼い主が持ちやすい体勢になるのなら、ケージの外に出たいと思っている。

掴んだ後

  • 掴んでも大人しく、常に視線は下向き(床方向)で、地面に近づくと飛び降りようとします。
  • ケージから出して、その場でオロオロする、その場でクルクル回った後に物陰に走る、飼い主に付いてくるなどの行動をする場合は、なぜケージ外に出されたか分かっていません。
  • 床に降ろした後、その場から動かず飼い主を見ている、飼い主の登ろうとする場合は、オヤツが欲しかった可能性があります。
  • 自分でケージに帰られるようする」で作った台の上に置いて、ケージに帰ろうとしないか確認する方法もあります。
  • 次ページに書いてある方法で散歩前の健康チェックをしているのなら、指でほお袋を押さえようとすると、前足で押し返してくることがあります。飼い主の動作を覚えていて、散歩に出たくないときはその動作を否定してきます。

1回のミスでも死ぬまで忘れてくれない

寒くなり始めた頃に私の判断ミスで、散歩に行きたくなかったゴールデンハムスターをケージから出してしまったことがあり、ほとんど巡回をせずに部屋の隅っこで小さくなっていました。
しかも、その次の日から、私を見つけると猛ダッシュで巣箱に戻るようになってしまいました。しかし、エサがもらえると分かると、いくら寒くても逃げずに近づいてくるところが、ゴールデンハムスターらしいです。
よくなついたハムスターだったので、春が近づくとケージから出してくれとせがむようになりましたが、次の冬は何もしていないのに、出たくない日は猛ダッシュで巣箱に戻り、また次の春が近づくと散歩をせがむようの繰り返しでした。そういうことは、しっかり覚えているんだなぁ〜と感心しました。

散歩の合図を覚えてもらう方法

こんな感じで給水器を押して音を出します。飼い主の動きに気づくと直ぐに止めて寄ってくるため、良い写真が撮れませんでした。

我が家では、ハムスターが散歩に出る準備が終わると、給水器を叩いて音を出して呼んでくれます。
この方法は本能で最初からできる行動ではないので、覚えてもらいます。早い個体は数回で覚えます。

あくまでも散歩の合図なので、覚えさせている最中にオヤツを与えないようにしましょう。オヤツを与えてしまうと、腹が減るたびに呼ばれ肥満+わがまま確定です。
飼い主を怖がる個体なら、音を立てると飼い主が近づいてくることを覚え逃げるようになるかもしれません。何にせよ驚かせないように、慌てて近づいたり急いで開けたりしないようにしましょう。
そういう意味でも、散歩に出せない時期には実践しないようにしましょう。

方法は簡単で、ケージの出口付近に給水器を吊します。
ケージの外に目的がある場合は、ケージの出口近くでゴソゴソするので、その時に体が給水器がぶつかりそれがケージと当たり「ゴン」と音がします。音がしたらゆっくりケージに近づいて扉を開け、掴んで散歩に出すことを毎日繰り返します。
軽い力でも動く様に、ハムスターが軽く押すとケージにぶつかる重さ(給水器の水は少なめ)や距離など、いろいろコツがあります。詳しい配置方法など、ケージのレイアウトも読んでください。

この方法を完全に覚えると、飼い主を呼ぶ方法としても利用することがありますが、このサイトの飼い方を実践できているのなら、普段は散歩以外の目的で呼ぶことはありません。
ハムスターにとってもケージの外に出ることはリスクがあり、準備が必要な行動なので、呼ばれたときは散歩前の健康チェックから必ず散歩に出しましょう。そうすることでも、不用意に飼い主を呼ばなくなります。また、自分でケージを開けようとすることも無くなります。
散歩ではないことが分かっていても、緊急事態のこともあるので、遠くからでも良いのでチェックだけはするようにしましょう。

無視してると給水器に登りより大きな音をさせて呼ぼうとします。この写真は降りようとしているところですが、モールを後ろ足で掴んで、この体勢でも安定しているところもポイントです。

水を飲むとき間違ってゴンゴン音を出してしまうと、ダッシュして逃げる個体もいます。ピンポンダッシュですね。
伏せたまま片手で押して軽く音を出しても飼い主が来ないと、立ち上がって両手で強く押したり、給水器に登って激しく揺さぶったりと、音の出し方で、どれだけ散歩に出たいか分かる個体もいます。音を大きくすれば、気づいてもらいやすくなると考えているところもポイントです。

音で呼べることを理解しているため、逆に掃除など飼い主がハムスターに出てきてほしいときは、給水器近く(ケージの出口)をコンコン叩いて呼び、互いに音で呼べるようにします。眠っているときは、さすがに聞こえていないようですが。
中にはケージに紐の付いた鈴を入れて、ハムスターが神社の鈴のように鳴らす音で判断している飼い主もいます。ハムスターが鈴を鳴らしてお願いすると、飼い主が降臨して願いを叶えてくれる訳です。
飼い主が寝ているときでも、ゴンゴン音を出してうるさいこともありますが、ケージを噛むことは無くなります。
飼い主が部屋に居ると思い呼んでいるときに、飼い主が部屋に戻ってくると「あれ?居なかったの?」みたいな顔をしたりもします。
部屋を暗くしていると、飼い主が寝ている(すぐに来てくれない)と考え、飼い主が寝ていると呼ばない個体もいます。

散歩前に注意すること・危険な物

一般的なメタルラックで床との隙間が9cmくらい。高すぎず低すぎず、掃除もしやすいです。

安全に散歩をしてもらうための部屋作りをします。
モルモットやウサギよりさら体が小さいため、安全に通れる隙間を作ることは意外と簡単にできます。
部屋の模様替えが必要になることもありますが、心のどこかで「ハムスターごときに」と思っていると実行できません。散歩を反対する人の大半が、それが理由でしょう。

安全に通れる隙間を確保をする

できれば隙間を無くすのではなく、隙間を空けて通りやすくしたり登れなくします。

人間の部屋は人間にとって適度な狭さですが、ハムスターのような体の小さな動物は、体が隠せず、感覚器官で把握しきれません。
そのためハムスターは、部屋の端や家具の隙間を通路として利用します。ちなみに、ハムスターの髭や目の上の感覚毛の先端が、擦れるくらいの狭さが丁度良いです。
本棚の後ろなど入られて困る場所は、本を隙間に入れたりテープを貼り、行けないようにガードをします。しかし、散歩は安全確認のための巡回なので、わずかな隙間でも気になってしまい、入れなくすれば大丈夫という訳ではありません。

以下の方法は私が行った方法で、実質的に部屋の模様替えになってしまいますが、やってしまうとハムスターの散歩も部屋の掃除も楽になり、他の個体にも引き継げます。
タンスや棚を、キャスター付きのメタルラックや衣装ケースに交換します。キャスターを付けると、床から5〜10cmくらいの隙間ができ、ハムスターには丁度良い隙間になり、隙間に腕が入るためケージに帰らないとごねても安心です。
大人のゴールデンハムスターでも、3cmあれば頭が入るため通り抜けられますが、4cm以下になるとさすがに狭いようで、隠れるこことはあっても散歩のルートには選びません。
本棚などの動かせない家具は、部屋の隅に隙間ができないようにピッタリとくっつけます。空間がないと空気も流れず、ハムスターは大きな岩程度に思うので、よけて通るようになります。ピッタリくっつけられない物は、逆に10cmほど隙間を空けると、これも身を隠す障害物になり悪さをしません。ゴールデンハムスターが通るだけなら5〜6cmで十分ですが、家具と壁の隙間を利用し登る事があります。

よじ登りを防止処置をする

狭い隙間を背中と足で突っ張りながら登る、「チムニー」という登山方法です。本能的にできるということは、野生でも高い所に登ることがあるんだと思います。

その個体の好奇心の影響が強く、よじ登る個体と、全くよじ登らない個体がいます。リスのように立体的な生活する動物ではないので、普通は高い所に行こうとしません。
毎日登るようなら、飼い主が簡単にたどり着けない場所を探しているのかもしれません

家具と壁の隙間を使ったり、カーテンや吊してある洋服に爪をかけたり、ケーブルをよじ登ったりと、丸い体型からは想像もできないような方法で、いろんな所によじ登ります。
頭と体を使って、こっそりと計画的に、観察していると面白い行動をしますが、落ちて怪我をしたり、網戸を破って外に出たりと危ないので、できるだけ登れないように部屋の模様替えをするなり努力しましょう。

ハムスターは近眼で遠くが見えないため、危ない、降りられないと分からず登ってしまうため、散歩に慣れるまでは注意しましょう。
ゴールデンは高い所に登っても、怖くて降りられず、高い場所でオロオロしながらと後悔していることがあります。
すぐに降ろしてしまうと、反骨心でまた登ろうとしたり、飼い主を利用すると降りられると覚え、さらに高い所に登る可能性があるため、ジーッと見つめるなど飼い主が気づいていることを確認させてしばらく反省させてから降ろします。
ジャンガリアンやロボロフスキーは飛び降りてしまう可能性が高いので、見つけたらすぐに降ろしましょう。

床まであるカーテンは短くする方法がありますが、部屋が底冷えするうえに、背伸びしたりジャンプしたり、他の場所から飛び移ったりと、事故が増える可能性もあるため現実的ではありません。
家具と壁の隙間を利用することが多いため、家具を壁から離してして登れなくする方法が安全です。

降りられなくても登りたい

登ったばかりで困っている表情ではありませんが、目と耳を使って飼い主の居場所を思いっきり見ています。

この個体は助けてもらえることを前提に登るため、飼い主が見える場所のカーテンしか登らず、登る前に立ったり覗き込んだりして、長いときは5分くらい飼い主が自分に気づいているか確認します。
そこまで用心するのなら登らなければいいと思うのですが、それでも月に何度かカーテンに登ります。
暇にならないとカーテンに登らないですし、自分で降りられないと分かっているため、登ってしまうと簡単に捕まえられます。しかし、カーテンに良い感じヒダがないと50cmも登れず滑り落ちてきます。慣れている個体でも落下事故を起こす可能性があるということです。

ジーパンのポケットに入っているゴールデンハムスター
必ず右ポケットに入ります。

壁に掛けてあるジーパンにも登ります。爪が引っかけにくようでガサガサうるさいですが、ズボンの裾は円筒状なので登りやすいようです。
で登って何をしているのというと、ポケットの中で寝てるだけです。自分では降りられないので、気が向いたら助けに行くようにしてます。

ハムスターではありませんが、昔飼っていたジリスとモモンガが、ラックに掛けていた古いジャンパーを別荘として使っていたことがあります。
破れた裏地の穴を共用していましたが、ケンカをすることもなく交代で使っていました。両方とも目で確認する動物なので、相手がどこに居るのか知っていたことと、飼い主の臭いが染み付いた服なので、自分だけの別荘だと思っていなかったのかもしれません。

ケーブルの囓り対策をする

略して「ハムまた」。私の部屋のあっちこっちがこんな感じ。習性を理解していると、囓られることはないです。

ハムスターの通り道に、排除できそうな細い木の根のような物があれば、噛んで排除しようとします
ハムスターが通らない場所や、自分には手に負えないと思ってもらえば、ケーブル以外でも噛んだりません。
ハムスターが囓ると歯の跡が残ります。何でもハムスターの責任にしないようにしましょう。

ケーブルなどは、壁際や床に這わさず、高い位置や部屋の真ん中に這わします。他には、複数のケーブルを束ねたり、パイプやスパイラルチューブに入れて太くします。電源ケーブルには特に注意しましょう
ケーブルは逃走の邪魔になる物と考えさせずに、太い障害物だと思わせられれば体を隠せる壁になり、逆に安心し噛んで排除しようとはしません。

散歩ルートを塞ぐ物がないか確認する

小さい物なら、乗り越えたり避けたりしますが、ハムスターの通り道に動かせない物があるとトラブルの原因になります。
たとえば段ボール箱を置いていると、段ボール箱を囓って穴を開けようとしたり、下に通路を造ろうと絨毯や畳に穴を開けてしまいます。
マーキングしようと体を擦りつけたときに、段ボール箱に残った粘着テープや接着剤にヒゲや足がくっついてしまうと、得体の知れない何かに捕まったと勘違いしパニックになることもあります。
必死に逃げようとして、骨折する可能性がありますが、急に手を出すと掴んだ犯人だと思われ、命がけで噛んでくることがあるので注意しましょう。
全く気にしない個体もいますが、箱の中に住もうとしたり、巣材に利用とする個体もいるため、段ボール箱には特に注意しましょう。

部屋のドアや窓が開いていないか確認する

ドアや窓は絶対に閉めるようにしましょう。
一度、出てしまうと巡回範囲が広がって、扉や柱、絨毯、畳を噛んで出て行こうとすることがあります。家族が開けてしまうこともあるので、ハムスターが散歩中には、鍵を閉めた方が安心です。
網戸は壁として認識するようで、登ったり囓られたりすることはありませんが、高い位置の窓も閉めた方が安心です。
窓を閉めると部屋の温度が上がってしまう場合は、エアコンを付けましょう。その時に、ケージの中より快適にしてしまうと、ケージの外に住み着こうとするため、温度は少し高めにします。

散歩部屋から出て行こうとしたら、その場で反転させて散歩部屋の方向を向かせたり、指で押し返したりを何度か繰り返すと、そこから先は行けないと考えます。
しかし、そこに行きたい要求が止められるかは、飼い方と性格に影響するため、忍び足で飼い主の目を盗んで行こうとしたり、凄い勢いで走り抜けようとすることもあります。
そのため、部屋を出て行くことを覚えたら、その付近に来たら捕まえてケージ近くに戻してを繰り返して、罰に近い方法で覚えさせる必要がありますが、上級者でも止めることが難しい問題になります。

飼い主がその場にいても、のんびり出て行ったり、飼い主を臭ったり、またいだり、踏んづけてゆく個体は縄張り意識が弱いため、いくら教えても無理なことがあります。

間違って部屋から出てしまった

縄張りをしっかり意識できると逃げたりせず、こんな行動もするという、我が家の例です。
家族がドアを開けたときに、散歩中のゴールデンハムスターが部屋から出て行ったことがあります。
しかし、私が部屋の外にハムスターが出たことに気づかずドアを開けると、ドアの前で待っていたようで、開けた瞬間に部屋に入ってきました。他にはドアをガリガリして呼んでいた個体もいました。出たくて出たのではなく、ビックリして部屋から出てしまったのかもしれません。
ハムスターを飼っている散歩部屋は私が使っている部屋の隣で、ドアは開けっ放しいつでも出入りできます。散歩が終わるとケージに戻せと呼びに私の部屋に入ってきますが、それ以外で私の部屋に入って来ない個体もいます。

部屋を少し暗くする

明るさを感じ、明るいところを避けるため、散歩に慣れないうちは部屋を暗くしてあげた方が良いです。
夜行性で巣穴の中で生活するために進化した目を持っているため、人間には真っ暗でもハムスターには見えています。雨戸や暗幕で遮光している状態だと、見えてないかもしれません。
明るいと天敵に捕まりやすいとも思うため、部屋の隅っこだけ巡回し、十分に散歩ができない可能性もあります。

飼い主の存在や明るさを無視できるくらい散歩に慣れてくると、飼い主の周りもウロウロするようになるため、ハムスターを踏んづけてしまわないように逆に明るくしましょう。
人間の手以外を警戒していない個体もいます。人間の体や足を障害物程度にしか思っておらず、踏んづけたり乗り越えたりする個体は特に注意しましょう。裸足だと、人間の手と足の区別ができない個体が多いです。

その他の危険な物がある場合は取り除く

他のペットのケージに入ったり、喧嘩をしないか。他の動物や人間が入ってこないか。食べ物が落ちていないか。観葉植物などハムスターが口にしそうな植物ないか。ゴキブリホイホイなどの粘着シートがないかなど、いろいろ危険な物はあります。
飼い主が触ってほしくない物があると教えるため、散歩中にハムスターが見ている前で片付けても良いです。散歩に慣れている個体なら、覚えてくれます。

その他

布団を床に敷いている場合は、最小サイズになるようにたたみましょう。知らずに踏んでしまうと大変です。床に服を置いてある場合も注意しましょう。
ゴミ箱の蓋を閉めます。食べ物が目的ではなく、興味で入ったり落ちて出られなくなることがあります。