ケージの選び方

ケージの種類 リード画像

ハムスターの飼育の最初の難関になり、飼育に必ず必要なる、ケージの選び方です。

ペットショップで勧められた小さいケージを買って買い直したり、調べたつもりでケージを買ってみたけど生態に合わず、買い直そうにも余ったケージが邪魔で、トラブルを抱え後悔したまま飼っている飼い主の相談もたくさん聞きました。
ケージが悪いと、ベテラン飼い主が当たり前のように見ている本来の行動ができないため、ハムスターの不満を理解できず病気の原因を作ってしまいます。
何より飼育の楽しみが減っていることに、気づかないのはもったいないです。

ケージに必要なこと

動物のことを詳しくない人に、飼育環境を想像してもらうと、金網タイプのケージの中に、入り口が正面を向いた巣箱を想像すると思います。
心の中に、動物は檻(おり)に閉じこめ、人間が管理する生き物だという考えを、知らず知らずの間に持っているからです。
それに気づいて、飼育環境や接し方を工夫しないと、ハムスターはその環境から逃げだそうとして、脱走したりストレスが溜まって、トラブルの原因になります。

また、ケージというと、ハムスターの部屋や家などのイメージがあると思いますが、実際にはハムスターが住む町です。餌を探しに行ったり、人間に出会ったり、回し車を使って擬似的に長距離を体感したりします。

ケージは「安全」で「快適」な環境をハムスターに提供する最低条件だということを考えて、ケージを選ぶようにしましょう。そのためにも、見た目にだまされず、できるだけ大きなケージを買うことをお薦めします。飼育のトラブルのほとんどが、縄張りに関することなので、ケージを広い物にするだけでもトラブルは減ります。

「ケージ」のことを「ゲージ」という人がいますが、正しくは「ケージ(cage)」です。「ケ」は濁音ではありません。

ケージの種類

ハムスター用のケージと言っても、いろいろな物があり、他の動物用のケージを使ってハムスターを飼育することができます。私もドールハウス型のケージなど、いろいろ試してみましたが、今は爬虫類用のケージに落ち着いています。
また一般にハムスター用のケージとして売られている物はジャンガリアンハムスター用ですが、ジャンガリアンハムスターを飼育していても小さいことが多いです

ハムスターは小さく、温度を上げる飼育用品は多いので、寒さに弱い動物だと思われがちですが、ハムスターは暑さや高い湿度に弱い動物です。保温グッズを使って、ケージ内の温度を上げることは比較的簡単に行えるので、必要以上に温度が下がりにくく、温度や湿度を下げやすいケージを選ぶようにしましょう。

一般的なハムスター用ケージの、長所、短所です。
どっちとも言えない中間的なケージも増えましたが、定番になっているケージの形状や素材には理由があり、短所が増えることが多いです。

金網タイプ

長所
通気性がよい。軽い。安い。ハムスターが飼い主に気づきやすい。
短所
出入り口で手をぶつけ、怪我をしたり餌をこぼす。ケージの掃除がやりにくい。落下事故が起きやすい。冬場は寒い。金網をかじられる。部屋が汚れる。簡単に壊れる。出入り口が小さく世話がしにくい。金網は外に繋がっていると考えるため、死角が作れずハムスターが落ち着きにくい。光や音を遮蔽できない。

水槽タイプ

長所
脱走されにくい。部屋が汚れない。壊れにくい。大きさの割に安い。掃除が楽。
短所
小さいと湿気がこもりやすい。ハムスターに気づかれにくい。死角が全くなく、上部から世話をしなくてはならないので、ハムスターが飼い主を怖がる。プラスチック製は傷が入る。ガラス製は重い。光を遮蔽できない。

爬虫類用ケージ

長所
通気性がよい。ハムスターがなつきやすい。脱走されにくい。ケージの外が汚れない。温度を下げやすい。壊れにくい。小バエなどが入ってこない。格好いい。
短所
値段が高い。量販店では売ってない。ちょっと重い。

金網タイプのケージ

ハムスター用として売られているケージや、スターターセット(初級者用の飼育セット)などは、金網を使っていなくても金網タイプに近いケージが多いです。鳥小屋に近いケージや2階建てのケージ、パイプを使って拡張できるケージなど、いろいろな種類がありますが、ハムスターに詳しくない人が思うイメージが、形になったケージばかりです。
金網タイプのケージを勧めるのはペットショップの店員だけで、飼育経験の長い人や獣医は勧めないケージです。それは、初心者が納得しやすい形で、購入しやすい値段、サイズが小さいので、安易に買いやすいという理由があるからです。
もし、金網タイプのケージを勧められたのなら、この人はお金も持ってなさそうだし、知らなさそうだからと思われている可能性もあります。また、金網タイプのケージしか扱っていない店(メーカーも)や、勧めない店は、よく知っている人が利用していない店なので、売っている餌なども良い物がないと思った方が良いです。

根本的にハムスターの生態に合っていない商品ばかりで、トラブルが増えるだけなので使わないようにしましょう。今後も、ハムスターの生態にあったケージは販売されないと思いますが、ハムエッグでは問題を起こしやすいケージとして掲載してます。

まず、ケージが狭いので必要な「縄張り」の広さが、確保できません。さらに、ハムスターが隠れる(安心して過ごせる)ところが少なく、ハムスターが人間を意識しやすいので、悪い循環を作ってしまいます。具体的なトラブルは、ケージを噛んで縄張りを広げようとしたり、もっと安心して過ごせる住み家を探すために脱走したりします。それらができないと思うと、あっちこっちにオシッコをして自分の臭いを強調しようとしたり、ストレスで無駄に食べたりします。ケージを噛むことで脱毛したり、ストレスで脱毛したりなど、ストレスが原因の病気になることもあります。
どれも、初心者にありがちなトラブルで、その理由の1つが、ケージの選択ミスです。

パーツ数が多く分解しやすいので、掃除しやすそうですが、構造が複雑で掃除しにくく、耐久性も低いので、意図しないときに外れて事故が起こったりもします。私はケージの底が外れ、ハムスターごと落としたことが実際にあります。
また、金網部分に足を引っかけて怪我をしたり、塗装した金網部分を齧って、塗料やサビを食べてしまったり不正咬合や歯が折れたり、ケージを噛むので余計にケージが壊れやすくなったりと、さらに悪い循環を作ったりします。巣箱や、あっちこっちでオシッコをしてしまう状態になっていると、ケージの中が不潔になり、病気の原因を作ったり、ハムスターの心や病んでしまうと、飼育のうまい人でも簡単に解決できなくなります。金網が骨折や歯が折れる原因になるのは、獣医もよく知っている話です。

我が家のケージ

給水器の近くにゴールデンハムスターの子供がいます。

4つ折りにした新聞紙を敷け、加工しやすそうだったので、気まぐれで買ったケージですが、今は全く使ってません。
給水器を付けるには高さが足りず、給水器の水をケージの外からこっそり交換できるように、金網の一部を切って加工しましたが、音が出るので結局ハムスターに気づかれてしまい、あまり意味がなかったです。ケージの出入り口が小さく、野菜用の皿やトイレを出そうとすると、ケージの出入り口の金網で、手をひっかけて手を怪我したり、トイレをひっくり返したりと、悪い思い出ばかり残ってます。

水槽タイプのケージ

プラスチック製、ガラス製、アクリル製の水槽や、衣装ケースを使うことです。
衣装ケースはペットを飼うように作られていないため、安全とは言えず、ネットでの情報でも脱走が多かったりします。離型剤の臭いや、穴を開けやすく背が低いなど、理由はいろいろあるようです。さらに、代用品で手っ取り早くごまかそうとする飼い主の心が、トラブルの原因を増やすので、ハムエッグでは衣装ケースでの飼育はお薦めしません。
また、水槽のようなバスタブ型のケージでも、2階建てになっていたり、ハムスター用のケージとして売られているケージは、金網タイプのケージと同じ問題があるので、こちらもお薦めしません。
熱帯魚用の水槽は安く、規格サイズの水槽であれば、ピッタリの網ブタもあるので、水槽タイプのケージで飼いたいのなら、市販の水槽を購入することをお薦めします。

プラスチック製やアクリル製の物は軽いですが、傷が付きやすく、見た目が悪くなるだけでなく、傷が原因で不衛生になり長持ちしません。ガラス製は重いですが、移動させて水洗いしなくても拭けばいいですし、強い洗剤が使えるので、いろいろと安心です。水槽は形状が単純なので、掃除は一番楽です。

水槽の欠点として、上部しか開いていないので、上から世話をする必要があり、ラックに収納しにくいことです。
上から世話をすると、ハムスターが怖がるので、なつきにくいことや、死角が作りづらくハムスターにストレスが溜まりやすいこと、世話の時に物を落としてしまったりします。
特に初心者は、金網タイプのケージが悪いと分かるけど、爬虫類用ケージを買うほどお金がないので水槽を使ったり、衣装ケースが一番安いからと使う場合にトラブルが起こりやすいです。
鷲掴みという言葉があるように、ハムスターのような小動物は上から掴まれるのを怖がるため、上から世話をするしかない水槽タイプのケージは、初心者との最悪の組み合わせになります。
水槽の通気性を気にする人がいますが、空気は対流するので、狭い水槽だったり、ラックに水槽を置いたりしなければ、そんなに気にすることでもありません。しかし、ハムスターを飼っている人は、1人で何匹も飼い、ラックにケージを置くことが多くなるので、横方向に空気の通り道がなく、前面から世話ができない水槽は世話のために上部に空間が必要になり、使えないケージになります。

我が家のケージ

水槽が曇っているのは傷まみれだからです。ロボロフスキーハムスターでも網の仕切りを登るため、便利そうに見えて危険でした。

プラスチック製のケージで、今は売ってないタイプです。
中にドア付きの縦向きの格子があり、ドアを閉めると仕切になり、格子は固定されていないので、ハムスターによってサイズを変えたり、仕切った状態で、左右別々のハムスターも飼えます。
お見合い用のケージとして適していますが、傷まみれになり写真撮影ができなくなったことと、格子の汚れが取れなくなったので捨ててしまい、今は持っていません。ちなみに、回し車がケージにこすれた状態でもハムスターが走るので、摩擦熱で水槽が溶けていました。ハムスター恐るべし。
餌入れなどが写っていませんが、ケージ正面の格子が作用別々に開き、水槽の左に縄張り、右に行動圏を作ろうして失敗した例でもあります。

爬虫類用のケージ

私は使い始めた頃は、日本で取り扱っている店が少なく、購入するのにえらく苦労しましたが、このサイトで紹介してから、ハムスター用の高級ケージとして小動物の専門店でも買える、メジャーなケージになってます。
金網タイプや衣装ケースのような、ハムエッグで薦めていないケージで飼育している人が、爬虫類用のケージに替えると、短期間でトラブルがなくなるといった話もよく聞くので、初心者にもお薦めします。

爬虫類用のケージの特徴は、温度管理がしやすいことと、前面から世話ができることです。
横にメッシュがあるタイプは、棚に入れても通気性を確保できるだけでなく、直射日光も防げ、温度管理の難しい爬虫類の飼育に利用するヒーターも、美観や機能性を損なうこともなく使えます。
また、前面から世話ができるので、世話のときにハムスターに与える恐怖感を減らせたり、飼育環境に飼い主からの死角を作ることが簡単なので、普段の生活もストレスを減らせます。ストレスを与えにくいので、なつきやすく、ハムスターが本来の姿を見せてくれやすくなり、ハムスターへの興味が減らないので、飼育経験が長い人にもお薦めです。

ペットショップや、以前の飼育環境で問題を持っていたり、飼い始めは、扉のレール部分を噛まれることがあります。
ガラスが薄く水槽に比べかなり軽いですが、割れやすいためぶつけないようにしましょう。
重さが気になったり、割ってしまったら、ガラス戸をアクリル板に自分で交換できるのもあります。ケージを洗うときはガラス戸を外すので、重さは気にならないかもしれません。掴みやすく軽いため、60cm規格のケージでも片手で持てます。

空中サーモスタットや、保温電球(ひよこ電球)を取り付ける場所があり、病気のときは環境の変化を最小限に温度管理ができるので、かなり心強いです。両生類などの水生の動物にも使えるケージなので、デザインや機能を損なわず拡張できますが、テラリウムにするなど、ハムスターの生態に合わないようなことや、飼育が面倒になることはやめましょう。それっぽいバックペーパーをガラス面に貼って、直射日光を入らないようにするのは、いいと思います。

我が家のケージ

広く見せるために最小限の飼育用品を入れただけ。これもゴールデンハムスターの子供です。右下の写真はまだ扉の開け方を理解していません。

大きさの違うケージを、4つ持っています。
前面がスライドドア(引き戸)になっていて、ハムスターは開け方を覚えてしまいますが、ジャンガリアンハムスターは力が足りず開けられないので、開けようと頑張っている姿が、ケージの中から手を振っているように見えたりします。開け方も学習しますが自分では開けられないことも学習するため、一生の一度の超レア行動です。ゴールデンハムスターは力があり普通に開けてしまうので、簡易ロック錠の付いたタイプが必須です。
逆に、しつけができているのなら、ケージが開いていても勝手に出て行かず、散歩が終わると自分で扉を開けてケージに戻っていきます。飼い主としては、ケージにラックに収納しても、メッシュ部分が多く通気性を確保しやすく正面からの世話がしやすいところが良いです。
ちなみに10年以上現役で使っています。

ケージに必要なサイズ

ハムスターのトラブルの原因は縄張りに関することが多く、広いケージを使うと解決できることもあります。
縄張りは本能的なことなので、飼い主がいくら工夫しても解決できず、結局買い直して無駄遣いになる飼い主も多いです。

金網タイプやスタータセットとして売られているケージは、底面が30cm×30cmほどしかなく、実験動物の最小サイズになります。生き物としての尊厳を無視したサイズで、ペットの飼育環境のように餌入れや回し車などを設置すると、動けるスペースがほとんどなくなり実験動物以下になります。
ジャンガリアンハムスターでも、実験動物の倍の60cm規格(幅60cm×奥30cm)の広さが必要です。
ケージの高さは回し車に合わせますが、ジャンガリアンハムスターで30cm。ゴールデンハムスターで45cmは必要です。

ペアで飼育するなど、1つのケージで複数のハムスターを飼育する場合は、一般的な目安で1匹で飼う広さの1.2〜1.5倍くらいの面積が必要になります。
ゴールデンハムスター以外は、ケージが広いと散歩に出してくれと要求してこなくなるので、さらに安心です。

ケージの素材と色

金網タイプのケージだと、鉄とプラスチックで、色がピンクだったりします。プラスチックは、傷が入り細かいところまで洗えず、鉄は塗装がはがれて、さびたりします。
衣装ケースは半透明だし、そもそも薬品を使って洗ってよいのか分からないものばかりなので、掃除するにも不便です。

水槽や、爬虫類用のケージは、ガラスと黒いプラスチックを使っていますが、このパターンが飼い主として使いやすいです。その理由は、汚れが目立ちやすく、薬品を使いやすいからです。
ハムスターは汚い動物ではないので、ハムスターが汚すにはかまわないのですが、何かのきっかけでダニが入ってきたり、細菌が湧いたりする可能性もあります。透明や黒だと、ダニや汚れを発見しやすく、防水で洗剤を使えるケージだと、底に洗剤を入れた熱湯を張るだけでも、ダニを窒息死させたり、汚れを浮かすことができます。

ケージは部屋のインテリアの一部にもなりますが、ペットに対してコストや機能をどれくらい重視しているか分かりやすい飼育用品なので、困って相談してもベテラン飼い主からは軽く見られる要因になります。
そんな理由もあり、素材や色にも気をつけた方が安全で快適です。

ケージの設置する部屋

慣れないうちは人間を怖がって、生き物としての本来の行動ができず、慣れると人間の行動に合わせて、本来しない行動をしてしまい、トラブルが起きることを忘れないようにしましょう。

ハムスターに適切な温度を、飼い主が身をもって体感するために、まずは自分のいつも居る部屋で飼いましょう。
しかしハムスターは夜行性で換毛もするため、光や気温を飼い主と同じにしてしまうと、体調を崩してしまいます。

台所は食べ物を好む細菌が多く、人が集まりやすいため音や臭いが混じりやすく、ハムスターには不潔で不快な場所になりやすいです。
食べ物の臭いが気になって脱走されやすく、食べかすやハエやゴキブリ、害虫の駆除薬などを食べたり、喉が渇いて水場に落ちることもあるため、なおさら危険です。
ダイニング、リビングも同じ理由があります。
人が集まりやすいため、冷暖房器具がその部屋にしかない家もあると思いますが、人間より弱い生き物だということを忘れずに、しっかり環境を整えてあげましょう。

ベランダは温度の問題だけでなく、脱走や、天敵の存在など多くの問題があり、虐待とか違法のレベルになるので絶対にやめましょう。

玄関は、ドアが薄く断熱材がないなどの理由で温度差が激しく、風や人だけでなく、手洗いしてから玄関から入らないので、ウイルスや細菌も入ってきやすいところです。また物が少なく壁や床がむき出しで、音が反響しやすいこともあります。
そもそも人間が住むように設計されていない部屋では、ハムスターは健康的に生活できません。廊下やトイレや風呂も似た理由です。
特に一軒家の玄関は道路に接しているため、日当たりが強く、車などの騒音も大きくなりがちです。
逆に玄関が屋内にあるマンションなど、温度の変化が少ないこともあり、季節のよっては快適かもしれませんが、脱走してしまうとすぐに外だということも忘れないようにしましょう。

ベストなのは自室の隣の部屋など、飼い主の目は届くけど、人間などの行動に影響されにくい場所が良いです。
温度や明るさなどの環境の問題をクリアできるなら、ドアを開けっ放しにした押し入れやクローゼットでも良い気はしますが、物を入れる場所で生き物を飼うと、あまり良い目では見られません。

不要な物を捨てたり片付けたりするだけでも、ケージの置き場所くらいどうにかなると思います。共存とか共生というのは、お互いが我慢をしあって同居することなので、ハムスターを迎えた飼い主が場所をゆずるようにしましょう。
ペットを飼ううえで基本的なことなので、ケージの置き場所に困るならペットを飼わないことです。

ケージの置き方

ハムスターは地面を這って生きる動物なので、ケージはできるだけ低い場所に置きます。落下事故も減らせ、世話がしやすくなります。
しかし床の上に直接置くと、人間の足音などが響いてしまい、ヒーターの熱も奪われやすいため、背の低い棚を利用しましょう。
ケージの下に段ボールやバスタオルを敷いて、できるだけ音や熱がケージに伝わらないようにすると、ハムスターも落ち着いて生活できます。
ヒーターの設置方法に詳しい図と解説があります。

ケージの中のレイアウトが模索中で悲惨な状態ですが、メタルラックなどの棚を利用した事例です。
管理も掃除もしやすいので、15年以上このメタルラックを使って飼っています。

死角の大切さ

人間の視線や手だけでなく、臭い、光、温度からも、逃げられるように、ケージの置き場所や、ケージ内のレイアウトを工夫する必要があります。

ハムスターは数分で熱中症になるため、ケージに直射日光が当たるのは厳禁で、常に日陰で間接的に太陽の明るさを感じられる場所に、ケージを設置する必要があります。
側面部がメッシュになって爬虫類用のケージは、他のケージより防ぎやすいですが、ケージの横に本を立てかけたり、ミルワームのケージを置くなど、少し工夫するだけでも改善できる場合もあります。

ケージに毛布などで覆って、太陽光や温度の管理をするのはやめましょう。
鳥は目で確認するので、そうしないと夜になっても落ち着かなかったり、熱帯の鳥などはハムスターほど巣をうまく作れず、鳥のケージはヒーターも使いにくいことから、そのような方法があるだけで、ハムスターにその方法を使うのは間違いです。
ハムスターは穴に住む動物なので、完全に真っ暗な日が続いても体内時計が狂いにくい体質ですが、人間と同じように日の光でリセットされます。
人間の行動が、太陽光より正確な訳がないので、巣箱の中は夏、巣箱の外は冬、日光は春といったことになると、ハムスターの自律神経や行動に影響が出る可能性もあります。自律神経を乱すと、病気になったり、換毛に失敗して寒くて巣箱から出てこられず、空腹やトイレを我慢して病気になったりと、悪い循環を作る原因にもなります。
巣箱近辺が巣穴で、ケージ内であっても、その他の場所は巣穴の外だということも忘れずに、しっかり四季を感じられるようにしましょう。

ケージの中は、回し車を少し手前に置くだけでも、回し車の後ろに通路ができたりするので、改善できることもあります。
しかしペットは、家の近所に住んでいる野生動物ではないので、飼育セットを迷路のようにし人間から引き離す生活をさせないなど、引きこもり状態を作らないことも大切です。必ず、人間と共存していて、人間が便利な存在だと思えるように、接し方だけでなく、飼育環境も工夫する必要があります。そうしないと、ハムスターに噛まれたり、病気をさらに隠して、病気の発見が遅れる原因を作ります。

売っている物を、そのまま設置したり、他人の環境を真似するだけで、ベストな飼育環境が作れないのが、エキゾチックペットの難しいところで、おもしろいところです。
頻繁に環境を変えるとハムスターのストレスになりますが、悪い環境で飼い続けるよりはよっぽど良いです。
飼育相談でも、ストレスになるからと言い訳をして何もしない飼い主がいますが、ペットショップから迎えた時のストレスの方が強く、迎えてからトラブルを起こしたのなら、ペットショップより酷い環境だということも忘れずに改善してあげましょう。

巣箱や回し車を置く位置や理由を書いた、ケージの中のレイアウトの記事は別のページがあります。
生態や行動学などの知識の他に経験が必要で意外と難しいです。