もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

腫瘍(しゅよう)と癌(がん)の仕組み

長生きすると、ガンになる可能性が高くなります。
ハムスターに関わらずペットの飼育になれている人は、他の病気にさせにくくなるので、ガンとどう付き合うかが飼育のテーマになってしまいます。

子供でも分かるように書いているし、専門家ではないので、いろいろ欠けています。詳しいことは、自分で調べてください。
ハムスター用に書いていますが、基本的なところは人間の場合とほとんど同じなので、自分のためにもじっくり読みましょう。

[ フォーラム ] に闘病記事があるので、参考にしてください。また、痛々しい写真がある記事は、会員専用になっています。

腫瘍と癌の違いは?

「腫瘍(しゅよう)」とは、異常な細胞の増殖のことで、「できもの」の総称です。要するに腫瘍とは「おでき」です。
腫瘍には「良性腫瘍(りょうせいしゅよう)」と「悪性腫瘍(あくせいしゅよう)」があり、悪性腫瘍というと「癌(がん)」のことをいう場合が多いです。
漢字で書く「癌」は「癌腫(がんしゅ)」のことを指し、「肉腫(にくしゅ)」と区別されますが、どこにできるかで言い方が違うと覚えても、飼い主的には問題ないと思います。ひらがなで「がん」と書くと、「癌腫」や「肉腫」を含む、悪性腫瘍のこといいますが、ひらがなは読みにくいので、ハムエッグでは「ガン」とカタカナで書く場合が多いです。また、ハムエッグでは腫瘍と書くと、「それってガンじゃないの?」と疑って書いている場合が多いです。

あなたが利用している病院の獣医師が、厳密に言葉を使い分けているかは分かりませんが、腫瘍があると言われた場合は、それが何か分からないから腫瘍と言っているだけです。
「腫瘍=ガン」ではないので、「腫瘍ができている」と言われても絶対に助からないと思わずに、しっかり調べてもらって治療方法を考えましょう。

[ 病気データベース > なにかできる症状 ]

よくある間違い

長くハムスターを飼っているのに、ハムスターはガンにならないということをいう人がいます。そんなことを、獣医師が言うわけがないので、その人はハムスターを動物病院に連れて行ったことがないか、しっかり原因を調べていないだけだと思います。
内臓にガンができると、その臓器が正しく働かなくなるので、「○○病」や「○○不全」、場合によっては単に「老化」だと言われて、ガンに気づかない場合もあります。ガン細胞は栄養を吸い取るし、ガン細胞が作る毒が原因で体が弱ったり、強烈な痛みを感じることもあるので、治らない場合でも、調べられる場合はガンでないのかを調べた方が良いです。
また、ガンは治らないという人もいます。これも間違いで、自然には治らないけど、できるだけ早い段階で適切な処置をすると簡単に治ることもあります。

ガンになる仕組み

動物は常に、「新陳代謝(しんちんたいしゃ)」をしています。新陳代謝は単に「代謝(たいしゃ)」ともいわれ、古くなった細胞を新しい細胞に入れ替える作業で、細胞が成長し続けたり、手が足になったりすることはなく、細胞が入れ替わるだけです。また、ケガや病気が治るのも、代謝のおかげです。
しかし、細胞を入れ替えるときに、ときどきコピーミスが起こります。このコピーミスで生まれた細胞が、ガンの原因で「ガン細胞」といいます。
ガン細胞はコピーミスなので、DNAの設計書のとおり働きません。たとえば、胃にできたガン細胞は、どんどん大きくなって、胃をガン細胞が取り囲んでしまい、胃が胃の役割を果たさなくなります。ほうっておくと、近くにある肝臓や大腸にまでガン細胞が成長し、他の臓器まで役に立たなくなり、最後には死んでしまう怖い病気です。

ガン細胞は毎日作られていて、人間の場合は1日3千個から5千個くらい作られているといわれています。ほとんどが、自分自身が持つ免疫機構(めんえききこう)で無くなってしまうのですが、ガン細胞も自分自身が作る細胞なので、免疫機構を逃れて大きくなってしまうことがあります。
免疫力を高めるとガンは防げるといわれるけど、ガンができているということは免疫機構を逃れている証拠なので、免疫力を高めるといわれている食品の効果が、疑わしいのも納得できると思います。
また、ガンになる可能性がない食べ物はなく、同じ物ばかり食べるとガンになりやすくなります。なので、薬効効果やあるものや、発ガン性物質に対して何もいわれていない食べ物でも、食べ続けると危険です。ガンのリスクを減らすには、バランス良く、いろいろ食べさせることが必要ですが、下手にいろいろ食べさせてしまうと、他の病気になる可能性が高くなるので、難しいところです。初心者にありがちな「ハムスターに何を食べさせれば良いの?」といった質問に、上級者が答えにくいのも、そんな理由があります。

良性腫瘍と悪性腫瘍

「良性腫瘍(りょうせいしゅよう)」は、言葉に「良性」とついていますが、体に良いということではありません。ある程度大きくなると、大きさが変わらない「できもの」のことで、「ほくろ」も腫瘍の仲間です。
その反対に、「悪性腫瘍(あくせいしゅよう)」とは、どんどん大きくなり命を脅かす(おびやかす)腫瘍のことで、ガンのことを言うことが多いです。
良性腫瘍は、直接の死亡原因にはならないことが多いですが、できる場所によっては死亡原因になったり、ハムスターが違和感を感じると、問題行動や他の病気の原因になることもあります。

ガンの転移

ガン細胞が他の部分まで成長することを、「転移(てんい)」といいます。
ガンが転移するくらいに広がっている場合は、ガンとしての危険度はかなり高いのですが、本当に転移しているのかは、詳しく調べてみないと分かりません。2カ所に違うガンが同時にできていたり、ハムスターが不快に思って引っかいてしまったために、膿瘍(のうよう)ができていたりと、簡単に判断できないものです。
良性腫瘍、悪性腫瘍の区別に、転移するかしないかがありますが、良性腫瘍でも転移したり、悪性腫瘍でも転移しないものがあるそうなので、過信は危ないです。

腫瘍を見つける方法

飼い主が簡単に見つけられる腫瘍に、シコリがあります。ハムスターを触ってみたら、皮膚の下にコリコリしたものを見つけたというパターンです。
飼い主が簡単に見つけられるシコリは、体の外側に近い部分にできている腫瘍で、腕の良い獣医なら取ってくれます。問題なのは、簡単に見つけられない腫瘍です。
人間には人間ドックなど健康診断があり、いろいろ調べてくれますが、ガン検診になるとかなり高額になってしまいます。それでも、調べられる範囲には限界があって、時間とお金を浪費しても必ず見つけられるということでもありません。ハムスターになると、さらに調べられる方法が限られてしまい、非常に難しくなります。
しかしハムスターは、人間と同じほ乳類なので、頭蓋骨(ずがいこつ)と肋骨(ろっこつ)に囲まれていないところは、皮膚の上から触ることができる臓器があります。飼い主が触って判断することは難しいだろうし、触られるとハムスターが嫌がるので、獣医に健康診断を行ってもらっているのなら、触診(しょくしん)してもらうのも良いかもしれません。運が良いと、見つけられる可能性があります。
また、内臓にガンができると、その部分に違和感を感じることもあるので、歩き方などからでも見つけられるかもしれません。