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野生のハムスターに関する先行文献 3

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野生のハムスターに関する先行文献 3


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また長くなったので、新たにトピックを立てさせて頂きました。
今日は、イスラエル・アハロ二(Israel Aharoni)氏の『ゴールデンハムスター(Golden Hamster)』をネットで検索してみましたが、引用しか見つかりませんでした。 新知見ではありませんが、一応、スミソニアン博物館の記事を要約して紹介します。

引用:

1930年4月12日、幸運が訪れた。一連の会話を通じて、男たちは動物が目撃された農場を見つけた。アハロニと、彼の旅を手伝ったゲオリウス・カリル・タハンという地元の猟師、そして地元の首長が集めた数人は、農夫の後を追って彼の畑に向かった。タハンと何人かの村人たちは、若い緑の小麦の茎の上に積み上げられた土を狼狽して見つめている農夫を顧みず、興奮して熱心に掘り始めた。
彼らは8フィート(約2.3m)掘って、巣の中にいるハムスターを見つけた。ハムスターは金色で、毛皮で覆われていて、小さかった。アハロニは、若い母親と子どもを農場から連れ出し、エルサレムの彼の研究室に連れて帰ることにした。
麦畑では、母親が箱に入れられると、子どもを食べ始めた。アハロニは、母親が最も近くにいた子どもの頭を醜い残酷さで切断するのを見た。タハンは、母親がこれ以上子どもを食べないように、シアン化物の瓶に入れて殺した。母親を殺すことは、子どもだけで食べていくには小さ過ぎたため、軽率だったのかも知れない。11匹のハムスターは、エルサレムに戻った時には9匹となり、彼らの目はまだ閉じていた。
子どもたちはスポイト(のミルク)で育てられ、しばらくの間はうまくいっていたが、ある夜、5匹のハムスターが木製のケージを噛んで脱走し、そのまま見つからなかった。ハムスターの世話をしていたアハロニの同僚、ハイン・ベン・メナチェンは、この事件に圧倒された。
残った4匹のハムスターのうち、1匹のオスがメスを食べたので、メスが2匹、オスが1匹の、3匹だけになった。ベン・メナチェンは決意を固め、ハムスターが繁殖するための、干し草を敷き詰めた特別な部屋を作った。彼は部屋に1匹のメスを入れ、彼女が干し草の中に静かな場所を見つけた後、唯一のオスを引き合わせた。彼らによって150匹の子孫が生まれた。

また、マイケル・ロス・マーフィー(Michael R.Murphy)氏の寄稿「シリアゴールデンハムスターの捕獲と家畜化の歴史」が掲載されているハロルド I.シーゲル(Harold I.Siegel)編『ハムスター: 繁殖と行動(The Hamster: Reproduction and Behavior)』は、ネット上では閲覧フリーではありませんでした。
マルコム・ピーカー(Malcolm Peaker)氏(英国王立協会及びエジンバラ王立協会の研究員、グラスゴー大学ハンナ研究所の所長及び教授、ロンドン動物学会の副会長等)のブログで、マーフィー氏の寄稿が引用されていましたので、ひとまず以下に紹介します。

引用:

妻のジャネットと私は、自分の好奇心を満たし、比較研究のために野生のハムスターを手に入れるべく、1971年の5月から6月にかけて、シリアのアレッポへの偵察遠征を行った。全部で13匹の野生のハムスターが捕獲され、そのうち12匹(オス4匹とメス8匹)をアメリカに連れ帰った。
私がシリアで捕獲した動物の子孫は、メリーランド州ベセスダの国立衛生研究所のアンドリュー・ルイスによって維持されている。また、1978年、テキサス州ダラスのサウスウェスタン医科大学のビル・ダンカンは、生きた野生のハムスターの捕獲を行い、2匹のメスを米国に持ち帰った。

上記『ハムスター: 繁殖と行動』、及びマーフィー氏の探索旅行に随行した婦人(Janet E.Murphy)の紀行録”Hunting Wild Hamsters”は入手可能でしたので、2冊合わせて注文しました。海外からの発送で、いつ届くかは分かりませんが、到着し次第、コツコツと翻訳して行きたいと思います。

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Re: 野生のハムスターに関する先行文献 3


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引用:

母親がこれ以上子どもを食べないように、シアン化物の瓶に入れて殺した。

こういう発想をして実行してしまう人に、行動を正確に解析できるのかが疑問ですよね。

引用:

11匹のハムスターは、エルサレムに戻った時には9匹となり

野生個体の産仔数(産子数)が知りたいですけど、文献とかないでしょうか?
私が飼っていたゴールデンハムスター(キンクマ)で12匹でしたが、栄養状態が良くストレスも少ないはずのペットなのに、産子数が実験動物くらい(6匹程度)少ない理由が、カラーブリーディングだとは思うんですけどね。

「山登魚」さんの引用:

上記『ハムスター: 繁殖と行動』

こっちの話は、昔の飼育書にも引用されていました。

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そのことで、他の飼い主のサポートができるだけでなく、より深く話し合えるきっかけになります。
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Re: 野生のハムスターに関する先行文献 3


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「管理者」さんの引用:

こういう発想をして実行してしまう人に、行動を正確に解析できるのかが疑問ですよね。

アハロニ氏は、ゴールデンハムスターの生態については知らなかったとしても、近縁の他種の動物には詳しかった筈ですから、母親が脅威を感じ、子食いした原因が自分たちにあることを教えて、タハン氏の行為を止めてもらいたかったです。

「管理者」さんの引用:

野生個体の産仔数(産子数)が知りたいですけど、文献とかないでしょうか?

今までに捕獲された野生のゴールデンハムスターのうち、1932年にアハロニ氏によって捕獲された12匹のうちの11匹と、1999年にガッターマン氏の研究チームによって捕獲された13匹のうち3匹が子ども(オス30g 、メス23g、メス29g)だった他、1匹のメス(114g)が妊娠しており、後に6匹の子どもを出産しています。
3匹の子どもは同じ1つの巣穴から見つかっていて、全長は900cm(発見された中で最大)、妊娠していたメスの巣穴は全長150cmでした。
野生のゴールデンハムスターのサンプル数自体が少ないのですが、1999年に捕獲された野生のメスは小さかったので子どもの数も少なく、管理者様が育てられたハムスターは大きいので、産仔数も多かったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
久和茂編『実験動物学 第2版』(朝倉書店2018年3月)によれば、実験室のゴールデンハムスターの産仔数は平均8匹(1〜15匹)なので、いずれもその範囲内ではあります。
先ほど"Hunting Wild Hamsters"が届きましたので、一読の上、また何か見つかりましたら報告します。なお、この著書はマーフィー氏とジャネット夫人の共著であった点を訂正します。

「管理者」さんの引用:

こっちの話は、昔の飼育書にも引用されていました。

日本語で引用されている書籍をお持ちでしたら、それが確実ですね。
私はついに昨日、独和辞典を購入し、隙間時間で独学も始めました。
自動翻訳で不自然な部分は手作業で確認・訂正していて、英語論文は何とか意味が通る程度には和訳できる(?)のですけど、ドイツ語論文が大変過ぎました。
これから大学で動物学を専攻される方は、私のような苦労をしないよう、はじめから第2外国語をドイツ語にすることをお勧めしたいです。