毛色と肥満とウィンターホワイトハムスターの関係

ペットとして売られているハムスターは、野生には存在しない様々な毛色をした個体がいます。
そのことは肥満や病気、寿命、性格にも関係します。
なぜ違う毛色のハムスターがいるのかや、太りやすいハムスターがいるのかを、ジャンガリアンを例に説明します。

毛色の違うハムスターの写真を掲載していますが、一部を除き同じ個体です。

ウィンターホワイトハムスターとは

目の周りが黒くパンダ状態。まばらな毛や抜け毛があるのは換毛中な証拠。

「ウィンターホワイトハムスター」とは「ジャンアリアンハムスター」の別名で、冬に換毛し毛色が白くなることから由来する名前です。
ノーマル、野生色、スタンダードなど呼ばれる、背中が黒っぽいジャンガリアンは、本来は全てがウィンターホワイトです。

しかしカラーブリードが原因で、ペットショップで手に入るジャンガリアンは、毛色が変わることは多くありません。
生まれたころはノーマル色のジャンガリアンと同じで、飼い方も影響するため、見た目で区別するのも不可能です。
野生に近い血統が必要で、ジャンガリアンがペットとして飼われ始めたころは、カラーハムスターが少なかったため、毛色が変わる個体がたくさんいました。
そのため、ジャンガリアンの毛色が変わった話があると、しっかり飼えている飼い主からの情報だと、判断材料にもできていました。

換毛が終わると、ふかふかの毛とクッキリしたアイライン、毛皮を着たブルジョアっぽくなります。

まさに姫絹毛鼠(ジャンガリアンの標準和名)です。
上毛のサラッとした感覚、下毛のフワフワ、爪のチクチク、そしてハムスターの暖かさ。
冬毛になったジャンガリアンが手の上を歩くと、幸せな気持ちになれますが、血統と栄養状態、懐き方、飼育環境など全てをクリアーしないと味わえない感覚です。
ハムスターを手乗りにしたいのならなおさら、完全な冬毛になる個体が欲しいと思うはず。

日本ではジャンガリアン、海外ではウィンターホワイトが一般的な通称名です。
地名のジュンガル盆地から由来するジャンガリアンか、色でウィンターホワイトの違いで、命に対する考え方や飼い方の違うと想像するのも面白いですね。
茶色が多いのは砂地に住んでいる?黒が多いのは夜に活動しているから?白くなるのは冬も元気に活動している?では、どんな飼い方が適しているの?と考えるともっと楽しいですよね。

本来は毛色が変わるのが当たり前なのですが、毛色が変わるとクレームを言う人達がいたり、逆にウィンターホワイトなのに、毛色が変わらないとクレームがあるそうです。
売るときに説明すれば良いだけなのですが、売る側も飼う側も「色が変わる」ことを理解しておらず、ブリーダーやペットショップなどの業者でも、毛色の変わる個体は嫌がれるらしいです。
私からすれば、1匹で何種類も楽しめ健康的でお得なハムスターです。

換毛とは

毛の色だけでなく、量が増え長くなります。

換毛とは、寒くなる前に寒さから身を守る毛皮(冬毛)に、温かくなると熱を逃がしやすい毛皮(夏毛)に生え替わることです。

ジャンガリアンは、夏は灰色がかった茶色(黒ではない)で、冬は背中のストライプ以外は白くなり、お腹側の毛も白くなります。
純粋なキャンベルは冬になっても色が変わりません。
ロボロフスキーは色は変わらず、体毛が全体的に伸びます。
ゴールデンとチャイニーズに関しては見た目がほとんど変わりません。

写真だと上毛もかなり増えている感じ。

冬毛は、上毛(保護毛)の色が変化して、保温のために下毛(緬毛)が増えます。
上毛は下毛より長くツヤがあります。
下毛は皮膚に密着して生えます。
上毛が布団カバーで、下毛が布団の綿のような関係です。

犬だと抜け毛の掃除や、飲み込んだ毛を吐いたりと換毛が分かりやすいですが、ハムスターは体が小さく体毛も少ないため、換毛していても分かりにくいです。
抜けた毛は、換毛時の抜け毛がウッドチップに紛れたり、巣箱に残っていたり、静電気や湿気でケージに張り付いてることがあります。
季節の変わり目に掃除をしていると、抜け毛が多いことに気づくこともあります。

換毛に必要な条件

生後1.5ヶ月くらいの換毛中のジャンガリアン。代謝が高いためか大人よりモフモフ度低め。

ジャンガリアンの場合は、主に日照時間に影響して換毛します。
ロボロフスキーの場合は、主に温度が影響しているようです。
成長に関係なく、条件さえ揃えば換毛します。

営業時間に明かりや暖房がついたままのペットショップから迎えると、急に環境が変わるため、すぐに換毛が始まり1ヶ月くらいで毛色が変わってしまうことがあります。
環境の温度や日照時間に影響するため、長いと5ヶ月くらいかけてゆっくり換毛することもあります。
時間がかかることは、それだけ変化の少ない環境だという証拠なので悪いことではありません。
ハムスターの体質や性格から考えると、遅い方が良いかもしれません。

ブリーダーやペットショップの環境では人工的な春だし、飼い主が怖くて巣箱に籠もりっきり、夜中まで明るい室内、換毛できないカラーハムスター、保温していないなど、言い出すとキリがないですが、冬や夏にハムスターを迎えることの危険性が分かると思います。

換毛がうまくできない個体は体調を崩す可能性があるので、保温用品もしっかり揃えましょう。
換毛できる個体は、ヒーター設置したり外す目安になります。

毛色と換毛の関係

分かりづらいけど黄色い(茶色)。このページの他の写真も耳の後ろに黄色い毛が残っています。

ジャンガリアンの場合は、夏毛の個体がノーマル、冬毛の個体がパールホワイトです。
冬毛に夏毛の少し色が残っているとブルーサファイア。
換毛中の、まだら模様だとパイド。
茶色が薄く残ると、プディング。

ハムスターの中でも、ゴールデンのノーマルカラーの毛色と模様がダントツに美しいです。

ゴールデンの場合は、野生でのノーマルカラー(野生色・スタンダード)がミックスとして売られていることもあります。
全身が茶色だとキンクマやアプリコット。
黒だとブラック(クロクマ)、白だとホワイト。
3色のまだら模様だと、ノーマルやミックス。
白と黒のまだら模様だとパンダ。
上毛が伸びすぎると、ロングヘアー(長毛種)です。

全身が白く眼が赤いアルビノなどの色素に異常のある個体もいますが、元々ある色がどれくらい残るかの違いだけです。
犬もウサギなども、黒、茶、白しかいません。
ちなみに、セキセイインコの毛色が、緑、青、黄なのは野生の色が緑で、黄色が抜けると青になり、青が抜けると黄色になるからです。

肥満や病気になりやすい理由

時期によって模様が生牡蠣とか腹巻きに見える。

ノーマル(スタンダード)カラーのハムスターは季節に合わせて換毛することで、体質を変化させ体温をコントロールします。
カラーハムスターは本来は奇形の個体で、夏毛なのに体は冬モード、上毛のみ冬モードなど、自律神経のバランスを崩しやすい状態です。
人間もほ乳類なので、健康だと一年中同じ体温ですが、夏の20度と冬の20度と感じ方が違うと思います。
服を着ないハムスターならなおさら、体温の調整がうまくできずに、思う様に体が動かなかったりと、イライラしているかもしれません。

遺伝などの難しい話は抜きです。
ジャンガリアンのパールホワイトは、冬毛のまま換毛できない状態で、常に省エネモードです。
そのため、エネルギーの消費を抑え、脂肪を溜め込もうとするため、肥満になりやすいです。
体が省エネモードなので、エネルギーを大量に使う妊娠がしにくかったり、脂肪が邪魔で子供が大きくならず産子数が少ないのも、納得しやすいと思います。
パールホワイトは肥満や繁殖の問題が起こりやすく、プティングもほぼ肥満になります。
当然、太りにくい個体や、体質的に肥満になりやすいのに、飼い方が悪くて痩せている個体もいます。

スタンダードの毛並みのハムスターなら、毛に適度な脂があり汚れを弾きます。
また、上毛が前から後ろ向きに生えているため、ウッドチップの上を歩いているだけで、毛繕いできます。
しかしスタンダード以外のハムスターは、自然な毛並みでないため汚れやすいかもしれません。
特に長毛の個体は自分でうまく毛繕いできないため、汚れや水分が毛に付きやすく、ウンチが毛にくっついたり、お尻の毛がオシッコを吸って黄ばむこともあります。
下痢などの細菌感染で簡単に亡くなってしまう動物なので、毛を清潔に保てるように床材や巣材浴び砂には注意しましょう。

ミルワームで綺麗な毛並みに

ジャンガリアンはゴールデンとは違って、興味が縄張りよりエサを優先するので視線の誘導も難しく、飼い主に近づくためにカメラのレンズを登ってしまい、撮影した写真は何か食べているかピンぼけばかりでした。
背中側から撮影しようとしても、常に飼い主目線で後ろ姿の撮影も難しいです。

撮影のために何か食べさせている訳ですが、ヒマワリの種程度では一瞬で食べ終わってしまうので、毎日ミルワームです。
多い日は数匹食べてしまうため、毛並みが良くなり説明用の写真には最適でしたが、換毛が終わるまでにかなり太ってしまいました。

野生では栄養状態が良くないことが多く、綺麗な発色や毛並みはペットならではの楽しみ方で健康の証にもなります。
毛はタンパク質なので、良質な動物性タンパク質を摂っていると毛並みが美しくなります。
ハムスターは鳥や魚と違って、発色の良くなるエサを食べさせるのではなく、ミルワームを与えることが手っ取り早いです。

ノーマルカラーのハムスターで基本を学ぼう

少し白い毛が残っているけどシャープな顔に戻る。体は下毛が残っている状態。

スタンダードな色のハムスターが欲しいだけなのに、ペット専門店の店員や業者でも分からず、後から印刷した写真を持っていくこともあります。
スタンダードは「標準」という意味ですが、ペットの場合はどちらかというと「基本」です。
その基本が分からないのに、応用が必要なカラーハムスターは正しく飼えませんよね。

スタンダードなハムスターが減り、カラーハムスターが増える流れは止まらないと思うので、事前に正しい知識を得て、個体に合わせて臨機応変に対応できるような飼い方をしましょう。
同じ毛色の親から、違った毛色の子供が生まれることもあり、ハムスターの体毛は不安定です。

「夏毛と冬毛があって換毛する」当たり前のことなのですが、意外と忘れがちです。
換毛する個体ばかりだと良いのですが、うまく換毛できない個体もいるため、季節に合わせたハムスターの飼い方が難しくなっています。
前に飼っていた個体は20度で暑がっていたのに、今の個体は寒がったり、夏はエアコンを使わないとすぐに弱るなど、本来なら悩まなくてもよかった問題にも気をつけ、暑さ寒さ対策に余裕ができる飼い方や飼育用品を用意しましょう。
換毛中の模様が腹巻きに見えたりするのは、人間と同じでお腹が冷えないためだと思うので、エサにも気をつけましょう。

高等な生き物は保護色で見つけにくく、詳しい人は健康なハムスターだけでなく良い物や情報も見つけられます。
ペット用品を選ぶときも、スタンダードカラーのハムスターの写真やイラストを使っている商品を選ぶと失敗しにくいです。
開発者や販売業者のコンセプトが、パッケージに表れていることがあるためです。
基本に忠実でベテラン飼い主から好まれ、昔からあるため実際の飼育で安全性が実証されている商品が多いです。
逆にカラーハムスターは、流行に合わせているだけで、初心者に目にとまりやすい商品です。
取り扱っている商品やハムスターを見れば、ペットショップの店員さんの知識レベルも判断できます。
飼育書や飼育情報のサイトの読むときにも、何が正しい情報か判断しやすいです。

ノーマルカラー(野生色)のハムスターは、体温調整が上手で病気になりにくく、容姿の変化も楽しめ、ベテラン飼い主がお薦めしている理由が分かりましたか?