もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

巣箱の作り方

巣箱の作り方 リード画像

段ボール箱や新聞紙で簡単に作れる、シンプルで機能的な巣箱を紹介しています。

自作すると個体や季節、飼育環境に合わせて大きさを変更できるため、ケージのスペースを有効に利用でき、ハムスターにとって快適な巣箱が作れます。
また空き箱や古新聞を利用し、使い捨てにすることで、エコなだけでなく目に見えない細菌からもハムスターを守ることができます。

巣箱に必要な機能や大きさ」や「巣箱のトラブル」は、別のページにあります。

巣箱を自作するメリット・デメリット

自作した巣箱から出てくるジャンガリアンハムスター自作巣箱に慣れると、目分量でピッタリの出入り口を作れるようになります。

メリット

サイズを調整できる。捨てるのが簡単。すぐに分解できる。

野生でもハムスター自身が、巣を拡張したり寝床を作り替えて過ごしているため、巣箱のサイズは季節や性格によっても変わります。
エサを溜めすぎるので巣箱を広くしよう、ヒーターを設置したいので巣箱を高くしよう、トイレとの距離が遠いので巣箱を細長くしようなど、ケージのサイズレイアウトだけでなく、季節やハムスターの性格に合わせてサイズを調整しましょう。

空き箱や古新聞を使うとエコですし、捨てても心が痛みにくいと思います。年を取って細菌感染に弱くなった状態で、汚い巣箱を使うことも防げます。
病気を発症しやすい年齢になる頃には、ハムスターは掃除にも慣れていると思うので、積極的に巣箱は交換しましょう。

分解が重要なのは、捨てるときに邪魔にならないだけでなく、事故が起こったときにとっさに救出できるからです。
自作した巣箱だと、どこを壊せば分解できるかも簡単に分かると思います。

デメリット

見た目は気にしないんだなぁ〜と思う、利用者がアップした写真です。

めんどくさい。かっこわるい。

接着剤の乾燥に時間はかかりますが、慣れると簡単に作れるので、めんどくさいと思うかは飼い主次第です。
巣箱に使えそうな空き箱がどんどん部屋に溜まってしまうため、保管する場所を確保する方が大変かも。

ハムスター自身は機能重視で、かっこわるいとか気にしません。
事故を起こさないように、すぐに作れて使い捨てできるように、凝った物を作らないようにしましょう。
ケージと同じく、ハムスターの健康のために機能的にしているか、自分のために小綺麗に魅せようとしているかを、上級者は見ていますよ。

準備する物

ハムスターの飼い主なら、誰もがきっと持っている、ちょうど良い重り。

空き箱・ボール紙・新聞紙など

丁度良い大きさの空き箱があれば、不要な部分を切り落とすだけなので楽です。空き箱を切って巣箱を作るため、大きい空き箱の方が融通が利きます。
新聞紙を使う場合は、インクが乾いた古新聞を使います。
コピー用紙や雑誌などの紙は、発色を良くするために、いろんな薬剤が付いているため使わないように!!

カッターナイフ・ハサミ・定規・鉛筆

鉛筆と定規を使って線を引いたり、材料を切ったり、出入り口を開けたりする必要があるため、文房具やカッターナイフが必要です。
ボール紙から巣箱を作る場合は、定規の長さが40cm以上あれば楽に線を引けます。どんな巣箱を作る場合も、直角定規(L型定規・スコヤ)が便利です。

木工ボンド

工作用の木工ボンドは、子供でも使えるように安全なことと、紙や木、布がよくくっつきます。当然ハムスターの毛もくっついてしまうので、十分乾燥させましょう。
絶対に安全なボンドはないため、木工ボンドは妥協点です。出入り口など囓りそうな所には、できるだけ使わないようにしましょう。もし食べたとしても、食べられない物を致死量になるまで食べるのは、別の問題です。

重りになる物

ボンドが固まるまで、仮止め用です。
クリップや輪ゴム、マスキングテープなど、仮止めできる物なら何でも良いです。

粘着テープ

ガムテープ(クラフトテープ)・布テープ・セロハンテープなど。無くても良いですが、角やのりしろを補強したり、隙間を埋めるのに場合に便利です。
マスキングテープなどの粘着力の弱いテープだと、温度や湿度、ハムスターが体を擦ったときにめくれてしまい、ハムスターが気になってテープを剥がしてしまうことがあります。粘着テープがハムスターの天敵であることは忘れずに。
ボンドを使わずにテープだけで巣箱を組み立てたことはありますが、粘着力の強いテープだと壁の一部だと思う様で全くハムスターは気にしません。これは接着剤にも言えることです。

巣箱を作るときのポイント

接着部分のことをよく忘れるため、このページの写真も間違ってます。

巣箱の大きさや出入り口の位置は、巣箱に必要な機能や大きさを参考に調節しましょう。

まずは清潔にする

誰が触っているのか分からないですし、洗剤を使ったり水洗いができないため、雑巾で水拭きして、天日干ししてから加工すると安心です。
野菜などの食べ物が入っていた箱は、細菌や寄生虫、農薬が付いていることがあるため、使用しないようにしましょう。

段ボール箱の接着部分

サイズを測るときに基準にする角の対角にし、接着部分を切り離すように作ると、段差ができなくて良いです。

のりしろ

のりしろ部分を多く作り、接着剤が乾いた後で、不要な部分を切り落とします。

接着した面に出入り口を作らない

ボンドハムスターがボンドを囓ったり、テープを剥がしたりしないように、接着面は出入り口を作らず壁にします。
個体や環境に合わせてピッタリなサイズを作れるようになると、自分の居場所を壊すようなことはしないので、作り慣れないうちは気をつけましょう程度です。

通気口を開ける

本能的に出入り口を使って巣箱の換気をするため、普通は通気口を作る必要はありません。
ヒーターをそろそろ外したいけど掃除ができない、集団飼育していて巣箱が湿りやすい場合に、エサを保管している場所の直上に、ドライバーなどを使って小さな穴を開けます。ハムスターから出る湿気ではなく、エサから出る湿気でカビが生えないようにするための苦肉の策です。
ロボロフスキーハムスターのように温度に敏感で野良寝しやすい個体は、巣箱に穴が空いていてもあまり気にしないようですが、ハムスターが意図しない場所に光が差したり風が通ると、落ち着かなくなるので注意しましょう。そのため、巣箱でオシッコするから臭くなるといって、通気口を開けると逆効果です。

辺の処理

辺を加工せず、段ボールの段の部分をむき出しにしたり、あえて切り込みを入れることで、巣箱に熱が籠もりにくくくなります。冬は反対に隙間を作らないようにします。
この部分を粘着テープで補強すると、巣箱が壊れにくくなります。

紙の厚みが薄い

厚みが足りないのなら二層構造にする。なんだったら中綿の様な物を入れても良い。

段ボール箱で作る巣箱・簡単な方法

パーツを2つに分けてからくっつける方法です。
完成した巣箱を想像しやすいため、作り方は簡単です。

見ての通り、電気ポットの空き箱です。縦に長かったため、まず巣箱の高さに調節します。
基準にする角から、幅と奥を測って切り取り線を書きます。

切り離した2つのパーツを合わせると、こんな感じになります。

さらに不要な部分を切って、後は接着するだけです。
ベースになる方のパーツは内側にして、巣箱の外側で接着しましょう。
急ぐ場合は、のりしろ部分を切り取って、テープで角を接着したり補強するなど工夫しましょう。

段ボール箱で作る巣箱・難しい方法

パーツを分けず折り込んで作る、難易度の高い巣箱の作り方です。
この方法だと、ほとんどの接着面が上面になり、側面は接着面を1ヶ所だけにすることができるため、三方向の側面に安全な出入り口を作れます。
折り返しが増えるため隙間ができやすく、段ボール箱の大きさによってのりしろの大きさも変わるため、巣箱作りに慣れていても調整しながら作る必要があります。

基準にする角から、幅と奥を測って切り取り線を書きます。

切り取り線をカッターナイフで切ります。ここまでは簡単。

さらに切り込みや折れ線を入れていきます。
なぜこんな形になっているのかは、次の写真を見た方が分かりやすいかも。

折り曲げるとこんな感じになります。
折ってこの形になるように、切れ込みを入れて調整しましょう。
ちなみに、切れ端は右にあるパーツだけです。

裏を向けるとこんな感じです。
後は接着しながら、不要なパーツを切り取っていきます。

ティッシュペーパーの箱・空き箱で作る巣箱

ボール紙(厚紙)などの、薄い紙箱で作る巣箱です。
カッターナイフを使わずハサミだけでも切断できるため、難易度はかなり低いです。

薄型のティッシュペーパー空き箱は、高さが足りないため、ロボロフスキーハムスターの巣箱にも適していません。
ティッシュペーパーの箱は接着が弱いため、接着し直した方が強くなります。
断熱性が段ボール箱に比べて低いために、冬の飼育にはかなり不安です。もし冬でも使いたい場合は、ヒーターを使ってしっかり暖めること。

ティッシュペーパーの箱で作る巣箱。不要な部分を切り離す

必要の無い所を切り離し、真ん中から真っ二つにします。

ティッシュペーパーの箱で作る巣箱。分けたパーツを貼り合わせる

2つに分けたパーツを接着剤でくっつけます。
ちなみに、縦に2つに分けてくっつけると、トンネルを作れます。

新聞紙で作る巣箱

新聞紙で作ったハムスター用の折り紙巣箱
折り方や使う新聞紙の量で、大きさや強度を変えられます。

新聞紙(古新聞)を使った折り紙の巣箱です。めっちゃ簡単です。
接着剤やハサミを使わず、指で千切って出入り口も開けられるため、安くて安全で簡単に作れます。後から角を整えれば、ちゃんと巣箱の形になるため、不器用な人や子供でも作れると思います。

新聞紙だと巣箱の中で転がってもケガをしづらいので、通院時に使ったり、感染症でこまめに交換が必要なとき、ケージの掃除の時の待避場所、災害時にも役に立ちます。
大きさを変えれば、簡易トイレやエサ入れにも使えるため、巣箱に使わない場合も、一度は作ってみることをオススメします。
しかし、大きさの微調整ができず、接着しないと出入り口を作る面が限定されます。また、吸水性が良すぎ、軽すぎるため、普段の飼育には使いづらいです。どうしても使いたい場合は、2枚重ねて折るなどし強度を高め、早めに交換しましょう。

折り紙を改良した作り方を、利用者が投稿してくれたトピックがあるので、作り方はそちらを見てください。

ボール紙で作る巣箱

のりしろ部分は調整しましょう。

ジャンガリアンハムスター用に作る場合でも、40cm以上のボール紙が必要になります。
段ボール箱に入っている中敷き用のボール紙や、大きな段ボール箱の側面を切り取って利用すると安上がりです。

巣箱の展開図(接着あり)

長さが「高さ+幅+幅」のボール紙が必要になります。
出入り口になる部分に接着面を作らないようにするため、普通の箱とは展開図が違います。

巣箱の展開図(接着なし)

長さが「高さ+高さ+幅+高さ+高さ」のボール紙が必要になります。
接着剤や粘着テープを使わず組み立てる、一般的な箱の展開図です。
接着ありバージョンと同じように、出入り口の部分に折り返しができないように展開図を作ろうと思いましたが、かなり大きなボール紙が必要になるため、実用的ではないと思い作りませんでした。

カップ麺の容器で作る冬専用巣箱

意外と小さいので、ロボロフスキーハムスターの巣箱が限界です。

発泡スチロールのカップ麺(カップ焼きそば)の容器の縁を切って、出入り口を開けただけです。
積み重ねるだけで保温性が上がり、加工するところがほとんど無いので簡単です。

しかし、実質加工ができず丁度良い感じのサイズの物がなく、噛むと当然危険で、中が湿気やすくそれでいて汚れも吸わず、ヒーターの熱で溶けたり有毒ガスが出ると考えると、かなり危ないです。
保温性が高いのは良いのですが、温度はヒーターで調節できるため、メリットの保温性もあまり重要ではありません。テープが剥がれやすく、接着面も剥がれやすいので、センサー類の取り付けもしづらいです。
上級者用の手抜き巣箱なので、思いつきで試さないようにしましょう。