飼い主とハムスターたちの知識の図書館。

太った方が健康?白色脂肪組織と褐色脂肪組織

研究者が投稿した、太らない脂肪、冬眠や冬に必要な脂肪、齧歯類の特異的な体質の記事です。
肥満はダメですが、少し太ったハムスターの方が健康的で長生きできるのかもしれません。

投稿日時:
投稿者:USER0025

こんにちは、[USER0025]です。
#今日は静かですね。ウチだけ異常があるのでしょうか?

暇つぶし&逃避のメールです。
私は大学で動物の脂質代謝を研究しています。そこで、研究に関連して少しお話させて下さい。
哺乳類には白色脂肪組織と褐色脂肪組織という2種類の脂肪があるのです。
白色脂肪は世の女性の敵、いわゆる「脂肪」です。褐色脂肪はハムスターなどのげっ歯類で特に発達した脂肪で、ここではなんと熱を作っているのです。実はこの褐色脂肪は冬眠動物(ハムスターやコウモリ)で発達していて、冬眠中に体温維持に働いているのです。そのときの熱を作るエネルギー源は脂肪なのです。だから、冬眠する動物は秋にたくさん栄養をとって、太っておいて、冬眠中は体の脂肪を使って暮らしているのです。

つまり、何を言いたいのかといいますと、冬の時期のハムスターはおデブの方が良いのではないかということです。たしかに肥満による弊害はあるかと思いますが、寒さによって死んでしまうくらいならば冬は太っておいて、春になってからダイエットに励んでもらったほうが良いのではないでしょうか?
肥満というのはすこし語弊があるかも...脂肪になりやすい餌(脂肪や糖分の多い餌)を多く与えるというのはどうでしょうか?
あくまでも文献的に判断した僕の考えです。ご意見・ご批判をお待ちしております。

#ちなみに我が家のハムで現在実行中です。
ウチはボロ家なので室温7度くらいになってしまうのですが、とりあえず元気にしてます。
しかし、「ポコちゃん」はまさにマリモの様にまん丸になってしまった。

投稿日時:
投稿者:USER0037

はじめて書き込みます。[USER0037]です。

哺乳類には白色脂肪組織と褐色脂肪組織という2種類の脂肪があるのです。
褐色脂肪組織というのは、人間(成人)にもあるんですかー?

先日、九州大学名誉教授の大村 裕先生(摂食に関しては世界的に有名な先生です。)の生理学の特別講義がありまして、それによると、褐色脂肪組織はヒトには無いといわれていたが、中には背中にこれを持つ人がいるのだそうです。で、食後すぐにサーモグラフィーで背中を撮影すると、褐色脂肪組織を持つ人は表面の温度がかなり上昇しているのが確認できるそうです。すなわち、摂食によって血中に取り込まれた遊離脂肪酸が燃焼しているんだそうです。

皆さんのお友達には“いくら食べてもふとらない”体質の方がいるとおもいますが、こういう人は褐色脂肪組織をもっていて、白色脂肪になる前に過剰なエネルギーが燃えてしまうので、ふとらない、ということです。

初登場になりますので、うちのハムたちをご紹介しておきます。

 太郎(ゴールデンハムスターオス1才3ヶ月)、ちーちゃん(キャンベルメス5ヶ月)
 とらとら(キャンベルオス5ヶ月)

ハムではありませんが、

 きっく(チンチラ3ヶ月(推定))

チンチラとハムスター、同じ部屋に放すことがありますが、大変仲良くやってます。

勉強といえば、ただ今 試験期間中でハムたちと遊べなくて寂しいです。
病理学と、薬理学.....

大変ですね。僕は生理学、解剖学...。がんばりましょう。

それでは今後ともよろしくお願いいたします。>皆様

投稿日時:
投稿者:USER0053

お久しぶりです。[USER0053]です。
最近は忙しくてほとんどメールも読めません。
たまたま読んだところで私の専門の話がありましたので少し。
#興味のない方は読み飛ばしてください。

ただ以前TVで見たのですが、肥満遺伝子を持ったハムスターの場合は栄養バランスのとれたハムスターフードでも与えすぎは危険です。
TVの実験では、肥満遺伝子をもったラットに餌(ハムスターフードと同等の実験用飼料)を食べ放題にしておいたら、1ヶ月後には普通のラットの2倍以上の体格の巨大ラットになってました。
肥満遺伝子を持たないラットは、食べ放題状態でも巨大化しなかったのですが、肥満遺伝子を持ったラットは、満腹感を感じないのか、ずっと食べ続けてました。

肥満遺伝子は1994年に遺伝性肥満マウスから発見されたものです。この肥満遺伝子の産物である肥満蛋白質(レプチン)が摂食調節に関与しているといるということでした。このレプチンが発現していない、あるいはこの蛋白質の受容体が壊れているような場合に摂食が抑制されず過食の状態となり、肥満になります。つまり、正常の場合ではご飯を食べると脂肪細胞から血中にレプチンが放出され、これが脳にあるレプチンの受容体に結合すると摂食をストップさせます。ところがある種の遺伝性肥満マウス(obマウス)では遺伝子が変異していて、このレプチンが産生されません。よって摂食抑制が起こらず過食となり、肥満になるのです。このマウスにレプチンを投与すると摂食は正常になり体重も減少するようです。(このことから、米国の大手製薬メーカーが肥満の特効薬として莫大な研究費を使って研究中です)
現在、ペットとして飼われているハムスターやマウスに遺伝性肥満のものはいないと思います。
ただし高栄養の餌を過食させればどんな動物でも肥満しますのでお気を付けください。
最近ではダイエットブームのせいか、肥満遺伝子がテレビの話題になったりするんですね・・・