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ハムスターと穀物と農薬(7/7)

投稿日時:
投稿者:USER0093

[USER0093]@香川医大です.

大学のネットワークが復帰しましたのではやく#onできました.

ちなみに、検出された最大濃度はキュウリ、カボチャともに30ppb。エンドリンの許容一日摂取量(ADI)は0.2μg/kg体重/日なので、体重50kgの人が一日にこのキュウリやカボチャを400gとれば余裕でADIを越えます。

いくつか質問があります.教えて下さい(最近勉強不足で・・・).>[USER_NAME]さん

1.一日許容摂取量(ADI)は確か特殊毒性(発癌性・変異原性)を除く慢性毒性一般の指標となっていますね.
参考文献とされた「農薬毒性の事典」(三省堂)には,残留農薬がADI値を越えたことによる健康への悪影響等に対する疫学的データ,あるいは実際の症例等はでていますでしょうか?
#きちんとした実証例・疫学データが出ていたら,この本を買いたいので・・・

2.天然農薬様物質について「農薬毒性の事典」(三省堂)は何かコメントしているでしょうか?

天然農薬様物質(natural pesticide)についてご存じでない方が多いと思いますので,知っていることだけ書いてみます.少々気持ちの悪い話しですがご容赦下さい.

植物は動けないので,他の生物から自分を守るために毒性化学物質をつくります.食用の作物に関しても,例外ではなくどれをとってもたぶん数10以上毒性物質を作っています.

ご存じの方も多いと思いますが,キャベツの例が大変有名で,毒性物質の一部にはすでに染色体異常誘発能や,発癌性が認められています.さらに植物由来の普通の食物の中に含まれる天然農薬様物質のかなりのものに発癌性があることが,動物実験で確かめられています.

これらの毒性物質を天然農薬様物質(natural pesticide)と総称しています.

普通の食事では,残留農薬の約10の4乗倍(要するに10,000倍の重量比)の天然農薬様物質を摂取することになります.(これらの報告はScienceやPro.N.A.S.といった著名な科学雑誌に10年ほど前から続々と論文が発表されています.確か,かのエームズ法*のエームズ大先生の論文がきっかけですからすぐに検索できます)

仮に残留農薬が天然農薬様物質よりも1000倍強力な毒性があったとしても,それでもトータルの毒性効果は天然農薬様物質が10倍あることになり,残留農薬について気にしても,ほとんど無意味であるという結論に達してしまいます.

*サルモネラ菌を使った簡便かつ強力な変異原検出法

前にも書きましたが,少なくとも,ヒトの場合,特殊毒性,特に「腫瘍発生(発がん)」に関する残留農薬のリスクはあまり大きくない(ほとんどない)と考えられています.がん発生原因となるものは,「(普通の)食事」「タバコ」が二大要因で他のものはマイナー・あるいは不明です.現在のところ,これが,がん研究者(特に疫学者)の共通認識となっています.例えば,日本・アメリカにおける,がんの訂正死亡率(標準的な人口構成の年齢分布に補正したもの)は過去40年間あまり変化していません(寿命が延びれば当然がんの発症率は高くなります).もし化学合成物質・農薬に問題があり,がんによる死亡率が上昇したのなら,必ずがん研究に携わる疫学者が警告しますが,そんな話しは聞いたことがありません.

一般毒性についてはどのような疫学的な報告がでているのでしょうか?

ある本に、農薬の対処法として「偏食はしない」、「外食を押さえる」など10箇条が書いてありましたが、ごく一般的なことばかりでした。

「がんにならないための10箇条」(違っていたらごめんなさい)には,似たようなことが書いてあり,要するに2大ポイントは,以下のふたつのようでした(手元に資料がないです.すみません).
1.バランスよく栄養の偏らない食事をする
2.タバコはやめる

#対処法というのは,どうも空しい言い方にならざるを得ないようですね.