飼い主とハムスターたちの知識の図書館。

メスに多い病気

メスに多い病気を、分かりやすくまとめてくれています。
子宮が袋状になっているため、細菌と免疫力に関する病気が多いです。
原因が分かれば、ベテラン飼い主が基本にこだわる理由も分かります。

投稿日時:
投稿者:USER0171

こんばんわ、[USER0171]です。

子宮内膜症、子宮蓄膿症、卵胞血腫ですがかかったときのまず第一の兆候で見逃しやすいものがあったら教えてください。

兆候というのではないのですが、月齢を重ねている方が罹患しやすい傾向があります。ただ、若くても罹患する個体はやはりいます。

なりやすいリスクはなんでしょうか?

卵胞ホルモンの分泌によって、子宮粘膜が増殖を繰り返すことですね。エストロジェンの作用によって、子宮粘膜は増殖し、異物である受精卵を受け入れやすくなり、同時に細菌の侵入増殖を許しやすくなります。
分娩することなく、子宮の粘膜が増殖した状態が長く維持される程、罹患する危険が高くなるということです。

したがって、分娩があれば、子宮の粘膜も一旦リセットされる形になります。ただし、これも話としてはそうなるというだけで統計で確かめられているわけではありません。

子宮内膜症というのは、子宮粘膜が増殖して受け入れ体制OKという状態が持続して、粘膜が過剰に増殖している状態です。しばしば、出血を伴うことがあります。

子宮内膜炎は、このような状態に細菌感染を併発したものです。

子宮蓄膿症は、子宮内膜炎の結果として細菌と膿汁が子宮内に蓄積された状態です。この時点で細菌毒素は子宮粘膜の血管を介して他の臓器へ移行し、食欲不振、喉の乾きを感じるようになります。
やがて、腎不全へ移行し死の転帰をとります。

卵胞血腫は、卵巣において卵胞の発育が過剰に進み、排卵されないままに嚢腫化して大きくなったものです。この状態が卵胞嚢腫ですが、これがひどくなると出血を伴って血腫となります。
卵胞の過剰な発育ですので、エストロジェンも過剰に分泌され続け、子宮の粘膜は増殖して、その発達した毛細血管から出血をするようになります。

ハムスターの場合、生殖器からの出血で子宮蓄膿症とされてしまいがちなのですが、どうもこの段階でそのように受け取られてしまっているようです。
でも、子宮自体も血液を溜めて著しく腫大していますし、とらなくてはならない処置も一緒なので、あまり診断名にこだわることもありません。
このMLにおいても過去に 子宮蓄膿症と診断されたハムスターが3月生存したとか、半年生きましたとか報告されてきた例は、おそらくこのような状態が本当の所だったのでしょう。
細菌感染を起こして、子宮内幕炎や子宮蓄膿症に進行しなければ、そして貧血対策がうまくいっていれば、そこそこの期間は持ちこたえてくれるはずですし、一見して健康な個体と区別もできません。
また、ある方法で嚢腫も退行させることが可能なはずですが、こちらはまたべつのお話なので省力します。

子宮蓄膿症の予防などもあるのでしょうか?

具体的な予防方法はありません。強いて言えば、罹患しないうちに子宮と卵巣を摘出してしまうことになります。
あと一つは、妊娠出産を何回も繰り替えして、常に子宮粘膜を新しくしておくことかな。でも、この方法はお勧めできませんし、保証できかねる内容といえます。
病気を正しく知る、そして毎日の観察を怠らないということにつきるのではないでしょうか。