もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

ハムスターの時間の感じ方・闘病日記

ハムスターの時間

『ゾウの時間ネズミの時間〜サイズの生物学〜』という、生物学の本があります。その本には、動物と人間の時間の感じ方の違いが分かる公式が掲載されています。

ゾウの時間ネズミの時間の公式
パソコンで表記したり計算するには(体重)^(1/4)こう書きます。

「時間は体重の4分の1乗に比例する」という公式です。この公式に当てはめると、ハムスターの時間が人間とどれくらい違うのか分かります。人間の平均体重を68kgとして、ゴールデンハムスターの体重を100gとすると……

ゴールデン時間 ∝ (68,000^(1 / 4)) / (100^(1 / 4)) = 5.10…

となり、ゴールデンハムスターは人間の約5倍のスピードで時間が流れていることが分かります。人間の1時間はハムスターの5時間ということですよね。
ジャンガリアンハムスターの体重を35g、ロボロフスキーハムスターの体重を25gとして計算すると……

ジャンガリアン時間 ∝ (68,000^(1 / 4)) / (35^(1 / 4)) = 6.639...
ロボロフスキー時間 ∝ (68,000^(1 / 4)) / (25^(1 / 4)) = 7.221...

となります。めんどくさいし誤差があるので、ハムスターは人間の5倍くらいのスピードで、時間を感じていると考えましょう。そう考えれば、回し車で走っている時に速すぎて足が見えなかったり、ヒマワリの種を1秒以内に食べられる子がいたり、ケガがビックリするほどのスピードで治るのも、理解できると思います。

ハムスターのケガが治るスピードも、病気の進行スピードも5倍です。飼い主の都合で、病院に行くのが1日遅れたとすると、5日間放置していたことと同じだといえます。当然人間の1日で病状が急変し、死んでしまうこともあります。これが人間の子供だと、どうでしょうか?保護責任遺棄致死容疑という容疑がかけられ、刑務所暮らしです。
しかし、気づいたら何でも直ぐに病院に行けと、言っている訳ではありません。普段からハムスターの様子をよく観察して、早く病気に気づき、病状を冷静に判断し、必要なら直ぐに病院に行ってください。必要でないと分かれば、当然行かなくてもいいです。病院に行って合計2時間かかったとしたら、10時間もハムスターにストレスをかけていることにもなりますし、病状がよく分からないのに病院に行ったところで何も分からないので、ハムスターをいじめているだけだとも思えますからね。

※細胞の再生には温度などが関係していて、実際には単純に5倍ではないです。そんな心づもりが必要だというたとえ話です。

また、人間本来の平均寿命を45才とし、ハムスターの平均寿命を2.5才だとすると約18倍ですし、現代人の寿命を80才だとすると、32倍の時間の差があるという考え方もできます。計算式は考え方なので正解ではありませんが、自分が感じる時間より、ハムスターが感じている時間の方が、遙かに早く長いとを理解する必要があります。

参考文献:[ゾウの時間ネズミの時間〜サイズの生物学〜(1992年 中公新書) 本川達男(著)]

闘病記録

自分のホームページにペットの闘病記録を、掲載している人は結構います。こんな人たちが増えれば、救われる命も増えるので、インターネットの便利さを痛感できます。闘病記録を書く場合は、他人が見ても分かるように、日時を入れ、必ず時系列で書きましょう。しかし何でも載せればいいわけでもありません。

掲載する場合は獣医師の許可をもらいましょう。予めインターネットに公開することを伝えておけば、より詳しく教えてくれる可能性もあります。その時に、動物病院の名前や、獣医師の氏名などを掲載してもいいか、どこまでなら書いてもいいのかを聞くことも必要です。動物病院の名前をインターネットに公開してしまったために、問い合わせが増えて迷惑する事もあります、また伝染性のある病気を強調して書いてしまったために、世の中が不要に騒ぎ立て、ハムスターが飼えない世の中になる可能性もあります。しかし、医療行為は体の不調を直すもので、飼い主のホームページの掲載許可をするものではありません。話をしてもらえればラッキーだと思ってください。

逆に、獣医師から写真を撮らせてほしいと頼まれることもあります。珍しい病気や症状などが見つかった場合に、学会で発表したり、研究をするためです。そんな獣医師は勉強熱心な証拠ですし、写真1枚で救われる命もあることを考えて、断らないようにしてください。
私が飼っていたジリスは珍しい腫瘍ができ、論文になり、専門書籍に顔写真付きで掲載されたことがあります。

原因は全て飼い主にある

しっかりと飼っていれば、老化が原因の病気や、先天的(遺伝)の病気、ガンなどの病気で無い限り、本来は病気にはならないものです。ハムスターは家の外に出ないので、ウィルスなどの病原菌はもらってこないですし、世代交代の早い動物なので、人間よりは完全に近い生命体です。だから、室内で飼われているハムスターは、病気になりにくいのです。ハムスターは、ほ乳類の中でもさまざまな環境に適応し、最も種類を増やすことに成功した、げっ歯類(げっ歯目)なのです。

ハムスターを病気にさせないためには、ストレスを与えず、適切なエサを与え、適切な環境を維持していればいいだけです。ハムスターの飼育が簡単だと言われるのは、こんな当たり前のことを守るだけでいいからです。
そのように病気になりにくい動物が病気になってしまうのは、飼い主の責任です。病気になってしまったら、飼育環境に問題があると思ってください。改善方法が見つからなかったり、実行できず、他のハムスターが同じ病気になった場合は、ペットを飼うのをやめましょう。また、そんな人が近くにいるのなら、ペットを飼うことをやめさせましょう。

新種の毛変わり種は、遺伝的な欠陥がある可能性が高いため、ハムスターの扱いになれていない初心者は、早く病状に気づけないので、飼うべきではありません。
ハムスターが突然亡くなったように見えるのも、病気の症状を発見できていないからです。