ハムスターのならしかた(馴らすより慣らす)
触る前に注意すること
室内などの衛生管理の行き届いた環境で、ペットとして飼われている動物は、常に清潔な状態ですし、ハムスターは乾燥地帯の生き物なので、さらに清潔です。また日本で飼われているハムスターは、ワイルドコート(現地採取のされた野生種)を買うことの方が難しい状態なので、人に感染するような病気は持っていることは、まずありません。
気をつけなくてはならないことは、清潔に飼われているハムスターより、飼い主の方が汚いことです。人間は家の外に出て、いろいろな物に触ったり、人混みの中でいろいろな雑菌を体に付けて帰ってきます。その汚れた手で世話をすると、ケージ内にダニや細菌やウイルスなど生物を入れてしまい、ハムスターが病気になるきっかけを作ってしまいます。
よく言われるように、ハムスターを触った後だけに手を洗うのではなく、ハムスターを触る前に必ず手を洗ってください。そして、家に帰ると、うがいと手洗いとをする習慣と、部屋の換気をする習慣を身につけましょう。
最初の一週間
日数はジャンガリアンの場合の目安で、買ってきたその日から手の上でのんびり餌を食べたりするロボロフスキーもいるし、なつくまで数ヶ月かかるゴールデンもいます。
1日目
新しい環境に置かれ、緊張状態のハムスターです。神経が過敏になっているし、ストレスにかなり弱い動物なので、静かな場所にケージを置き、そっとしておきます。巣箱を使わないこともあるので、ペットショップでハムスターを入れてもらった箱を、そのまま巣箱として使うつもりで、巣箱の横にその箱を置きます。まずは人になれることより、ケージになれてもらいます。餌はハムスターより先に多めに入れておき、ハムスター用のおやつがある場合は餌入れに少量入れておきます。
2日目〜3日目
恐がりだけど、好奇心旺盛なハムスターは、人間が寝ている間など静かな時間に、ケージ内を探検します。ハムスターが寝ている間に、こっそり餌を入れ替え、起きているときは遠くから観察するようにします。そして、ハムスターの容姿や様子から名前を考えておきます。
4日目〜6日目
起きている時間、ハムスターに呼びかけながらに餌を交換します。この日から飼い主の声を覚えさせます。また、店で買ったハムスターでも、もらってきたハムスターでも、人間の手が餌を入れてくれるのは知っているので、その時は逃げても餌は取りに来ます。手をあまり怖がらないようなら、おやつを口元へそっと持ってきます。取ってくれたらラッキー。
7日目〜
指先で持っていたおやつを、徐々に手の平に乗せていくようにし、ハムスターが手に乗るようにならしていきます。あせってハムスターを掴んでしまうと、警戒心を持たれるので少しずつにならしていきます。
自然にならす
「最初の一週間」は、飼育本に載っているような一般的な方法をアレンジした方法ですが、ハムスターを飼うのになれている人は、ハムスターから接してくるのを待ちます。
ハムスターは人間と同じく頭の良いほ乳類で、人間は便利な存在だと理解できるので、余計なことをしない方がよくなつきます。
人間に合わせて行動を取る様になれば、簡単になつきます。
毎日世話をしていると、餌の時間を覚えて、ハムスターが人間を待つようになったり、徐々に退屈になってきて、ケージの外や人間に興味を持ち始めます。人間に興味を持ち始めたら、名前などを呼ぶなど、自分もハムスターに気づいていることをアピールして、おやつを与えます。
私の場合は、餌の時間にハムスターが近づいてくるようになると、背中などを普通なら少し嫌がる所を軽く触ってから、ミルワームを与えるようにしています。体に接触すると、相手が気づいていることを実感でき長時間待つことができるようになり、嫌がらないということは相手を怖がっていない証拠です。ミルワームを与えているのは、懐きやすいだけでなく、毎日食べさせても問題なく、体調管理がしやすいなどの理由があります。
[ 飼い方 > ミルワームの飼い方 ]
ジャンガリアンとロボロフスキーには少ないですが、ゴールデンとチャイニーズはのんびりしすぎている個体がいるので、気づかせる必要がある場合もあります。飼い始めて1〜2ヶ月後に、ケージを開けたときに巣箱に逃げ込んだり、全く巣箱から出てこないなどが、私の基準です。
ハムスターが巣箱から出て餌を食べているときなど、飼い主に絶対に気づける状態の時に、いつもより高いところから餌入れに餌を入れて、少し大きな音がするようにします。寝ているときなどにすると、逆に驚かせるので注意しましょう。すると巣箱に逃げ込んでも、緊張して耳は立てているので、餌入れに餌が入ったということは理解でき、巣箱から鼻だけ出していたり、顔だけ出して覗き込んでいたりします。
無理に短期間にならそうとすると、きっかけが餌なので、人間は餌をもらうためだけの相手になっていて、仕方なく人間に接している可能性はあります。しかし、自然にならすと、飼い主から手を出さないので、縄張り(ケージ)を荒らされず、ぐっすり眠れるなど、人間は便利な隣人になり、人とペットの正しい関係になれると思います。