もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

ハムスターの病気の見つけ方(上級)

上級者のチェック方法

まず、普段見せない行動や状態であれば、病気の兆候や原因だと疑いましょう。

症状や検査で病気を特定するのが、獣医の仕事です。しかし人間は、家族や友達など親しい人の、体重やウンチの量を聞かなくても、話し方や歩き方などで、体調が分かることがあります。飼い主には、その何となくおかしいといった、数値や言葉で表現しにくい小さい違いを見つける能力が必要です。
小さな違いを見つけたら、何が原因なのかをネットや本を使って自分で調べましょう。過去に自分で撮影した写真や日記、他の人が作っているホームページなども、わずかな違いを見つけるには有効です。
調べて何ともないのなら、それはそれで良いと思います。私たちは獣医や専門家ではないので、必ず労力に見合う結果が必要ではありません。その代わりに使った時間の分だけ、ハムスターに近づけたと思います。調べた結果が間違ったとしても、他の症状を見つけた場合に初期症状として参考になるかもしれません。
上級者といわれる飼い主は、このような努力を長く続けていて、獣医が検査をしても簡単にはたどりつけない病気や原因を、早く見つけるサポートができます。また、病気の早期発見だけでなく、病状の変化、死因の特定、余命日数の推定、個体ごとの性格の違い、最適な飼育環境など、さまざまなことに素早く対処できるきっかけにもなります。さらに、痛みを長引かせたり、無駄にお金を使うことも減るので、考えるきっかけを作ることに損はないと思います。
逆に上級者の場合は、巣箱、ケージの中、ケージの外などの使い分けや、ハムスターの生活習慣もうまく習慣化されていると思うので、飼い主の前ではあくびはしないなど、見せない行動に対して注意しましょう。

ハムエッグ内の [ 写真館 ] で、撮影した時期や気持ちなどと一緒に写真を見ることができます。

個体ごとの性格や飼い方に影響するので、正確に見極めるのが難しいと思いますが、小さな違いから病気を早く見つけられるようにしましょう。

ケージの中を走りまくる

ハムスターはケガなどの外傷の痛みは理解できるようなのですが、内臓や神経的な痛みは理解できないようです。たとえば、おなかが痛い場合は、なぜ痛いのかが分からず、その痛みから逃げようと走ってしまいます。痛いだけでなく、パニックになっているので、ハムスターにとってはかなりの恐怖だと思います。
「昨日まで元気だったのに突然」とか、場合によっては「地震を予知して死んだ」「楽しそうに走っている」など、知っている人が聞くと恐ろしい言葉が出てくる行動なので、健康なときの行動をよく研究しておきましょう。
また、回し車を走るのではなく、物理的に移動できるケージの中を走ることが多いようですが、ケージの大きさも影響すると思うので、頻繁に走る場合は注意が必要です。

動かないことが多い

痛みを我慢していると、ジーッと丸まることがあります。痛みに少しだけ強く、病気を隠す動物はずのハムスターが、動けなくなってしまうくらいの痛みで、人間が動けなくなる痛みのときより、危ない状態だと考えましょう。
内蔵が痛い場合は、丸まっている場合は腹側、背中を伸ばしている場合は背中側の臓器が悪いことが多いようです。また、丸まっているとジーッとしていると、エネルギーの消費が少なくなるので、うまく代謝できなくなっている場合もあります。何にせよ、動けないくらい弱っていると考えて、できるだけ早く対処しましょう。

鼻と指の色が悪い

ハムスターは鼻先と指の毛が薄いので、見ただけで血色が悪いかどうかを判断できます。
いわゆる貧血やチアノーゼ状態です。血色が悪くなっているときは緊急事態なので、それ以前に気づけるようにしましょう。

歩いていると地面との隙間がある

ハムスターは臭い付けのため、お腹を地面にすれすれに歩きますが、お腹に痛みがあるとお腹をこすらないように歩くので、歩くときに地面とお腹の隙間が多くなります。
ウッドチップをケージの床材に使っていると、凹凸が多くなるので、より分かりやすいと思います。また、痛みが大きいほどより意識するので、地面とお腹の隙間が大きくなります。

一定方向によく転倒する

痛みや違和感、脱力感があると、力を入れられなかったり、力が抜けたりして倒れたりします。その方向がどちら向きか、どんなきっかけで倒れ始めるのかを観察すると、患部を見つけたりできます。
ペットショップで奇形の個体を見つける場合にも役立ちますが、子ハムで落ち着きがないだけの個体もいるので、ペットショップで判断する場合は何度も通ってみましょう。

暗くすると目が白くなる

明るいと目が黒いのに、暗いと目が白く見えます。目が白く見えるときに部屋を明るくしても、少しの間は白いです。白内障などの初期状態なのですが、糖尿病などの併発症として現れることもあるので、早めに対処してあげましょう。
飼い主を発見すると、寝ていても飛び起きてくる個体なら発見は簡単なのですが、飼い主の生活パターンを覚えている個体や、なついていない個体なら、完全スタンバイ状態になってから巣箱から顔をだすので、上級者でも症状が悪化してから発見することがあります。
[ 病気データベース > 白内障・核硬化症 ]

触られるのを嫌がる

痛みを感じない臓器があるので、患部によっても違うと思いますが、触られるのを嫌がる場合もあります。いつもなら手に乗ってくるハムスターが、手を伸ばすと体を傾けるように避けたり、場合によっては鳴いたり歯を鳴らしたりします。
手を嫌がる場合は、どちらに体を傾けるのかで、痛みの場所を大まかに特定することができます。

攻撃的になった・性格が変わった

体に痛みがあると、さわられたりすることで、さらに痛みを感じると思うと、飼い主に対して攻撃的になったりします。なでるような小さな接触や、普段は触っても嫌がらない場所でも、嫌がる場合もあります。
その逆に、何をしてもおとなしくなると、弱っていると考えられます。正しくは、ぐったりしている感じだと思います。
どちらの場合も、急いで病院に行った方が良いです。

散歩中にどこかに隠れてしまう

ひとつめは、安心できる場所を探している場合です。ハムスターに限らず体調が悪い動物は、自分が一番落ち着ける場所に行こうとします。一番落ち着ける場所がケージでない場合は、散歩の最中にどこかに隠れて、そこに居続けようとします。餌を持ってケージから出る場合は、どこかに新しい寝床を探していることが多いです。
もうひとつは、習慣を変えられずに、途中で力尽きてしまう場合です。散歩は縄張りの偵察なので、何か不安があると、敵に狙われないように、いつもより熱心に偵察をしようとします。しかし、体力が低下している場合は、途中で疲れて休んでしまいます。

散歩から早く帰ってくる

散歩をきっちり習慣づけていると、巡回順と時間にパターンができます。そのパターンをショートカットして、帰りたい理由があるのです。
散歩の準備ができていないのにケージから出したり、部屋のレイアウトが変えたりと、例外も多いですが、ハムスターが持つ小さな不安が習慣を変えてしまうので、分かりやすいと思います。
[ 飼い方 > ハムスターの散歩 > 散歩中の健康チェック ] にも記事があります。

餌を片方にしか詰めない

餌の大きさや移動距離などによっては、交互に詰めたり、片方が満タンになるまで詰めたりと例外は多いですが、ハムスターにも利き腕があるようで、ほお袋に先に詰める方が決まっています。
いつもと違う方に先に詰めるだけでなく、ほお袋に違和感があったり、詰めた後に歩きにくい場合など、途中で入れ直したり、ほお袋からすぐに出したりすることもあります。餌の時間を覚えているハムスターなら、簡単に見つけることができると思います。

いつもの時間になっても、すぐに巣箱から出てこない

出て行けない理由は、いろいろあると思います。
ハムスターは巣穴に住む動物なので普段から低血圧っぽい動きをしますが、体調が悪くて、血圧や体温が上がりにくくなると、普段より起きるのが遅くなります。
痛みや違和感など、飼い主に近づきたくないという理由も考えられるので、ハムスターが飼い主を見ていないと思う時間や、飼い主自身の行動パターンを少し変えて、様子を観察することも必要かもしれません。

お腹を触ると腫れているものがある

ほ乳類の体は、頭と胸以外は骨に囲まれていないので、触ると内臓や筋肉の腫れなどが分かります。
しかし素人では、正常な臓器の大きさや位置も分からないですし、触って全てが分かるものでもありません。また、正常でもお腹を触ったりするとストレスになるので、原因がハッキリ分かっていても、触らないようにしましょう。

特定の物を食べる・食べ物の好みが変わった

妊娠すると味の好みが変わったりするように、ハムスターも健康状態によって食べ物の好みが変わったりします。
ハムスターは人間より具体的に何を食べれば分かるようで、人間が漢方薬を飲むように薬効効果がある餌を選んで食べたり、人間がビタミン剤を飲むように特定の部分だけ食べたりします。
ペレットだけ与えていたり、ペレットに薬効効果あるものが含まれていたり、後から味付け臭い付けしていると餌だと分かりにくいので、好き嫌いなく食べるように育てられるのなら、良質なミックスフードに変更し、クセにならない程度にいろいろな物を食べさせるのもひとつの方法です。
しかし、感覚が麻痺していて、味や臭いが強い部分を食べたり、仕方なく代用品として食べたりしていることがあります。また、食べるだけで治すには限界があるので、自主的に選んで食べるから勝手に治るといった考えは非常に危険です。獣医との相談の材料としてください。

ミルワームの食べ方が違う

ハムスターは体の小さな草食に近い雑食動物なので、消化しやすい内臓と、消化しにくい外骨格の両方がある、ミルワームなどの昆虫の食べ方は、検査でも分からないような病気の早期発見だけではなく、治療と緩和の切り替えなど、健康状態を把握するのに非常に参考になります。
昆虫の外骨格は消化しにくいのですが、昆虫は貴重な食べ物ですし、微量栄養素も食べる意味もあって、成虫になったミルワームでも丸ごと食べるのが普通です。しかし、消化しにくい外骨格をむいて中身だけ食べたり、中身を吸って食べることがあります。それは、お腹が弱っていて消化しにくい物を食べたくないときと、体力が落ちていて、エネルギーや細胞に変えやすい内臓を優先して食べようとする意味があります。
[ 飼い方 > ミルワームの飼い方 ]

寝方がおかしい

ハムスターの基本的な眠り方は、エネルギーの消費を抑えて、できるだけ素早く動けるように、前かがみになり丸まった状態になります。
上向きに眠ったり横向きに眠る場合は、上側にしている部分に痛みが違和感があると考えましょう。その反対に、下側にしていると熱が逃げにくいなどの理由も考えられるので、暖めることで痛みが抑えられたり、触られたくないとも考えられます。

1匹だけ仲間はずれにされた

個体の相性を見極めるのは非常に難しいですし、ハムスターは単独飼育が基本です。集団飼育を薦めているのではないので、勘違いしないように読んでください。
人間には分からない行動や、病気の臭いが分かるようで、仲間が病気だと仲間はずれにしたりします。集団で殺したりすることもあるうえ、伝染する病気なら次々に悲惨な状態が続くので、必ず単独飼育しましょう。