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針葉樹のウッドチップの危険性

杉や松のウッドチップに含まれる発がん性物質の記事です。
加工したウッドチップが危ないのなら、新聞紙やキッチンペーパーも危なくて使えないですよね。

投稿日時:
投稿者:USER0084

[USER0084]です。

先日fj.rec.petsのところで、ハムスターに杉や松を与えると癌になるかも、という記事をみつけ、シーダーチップを敷物に使っていた私は大変心配になり、質問をしたところ、やっぱりやめた方がいいとのことでした。
本当に杉や松はハムにとって有害なものなのでしょうか?自然のものだから安心していたのですけど。

#杉のチップはだめ!ひまわりの種の食べ過ぎはダメ!新聞紙のインクはダメ!
#などと、ダメダメずくしで、困っています。

[USER_NAME]さんとf[USER_NAME]さんの記事に松、杉のチップの安全性についての話題がありましたが、私も1月ほど前に松、杉のチップに発ガン性があるという話をalt.pet.hamstersで読み、心配になってこのMLで質問しました。

たとえばマツ(Pinus属),スギ(Cedrus ヒマラヤスギ属)はマウス,ラットの肝臓のミクロゾームの酵素に変化をきたすといわれる*.
よくペットショップで売られている輸入物のチップはまさにこれに当たり、危険なので止めた方がいいと思います。

ほとんど日本語の解釈の問題ですけど、「酵素に変化をきたすといわれる」なんてのは、”ミクロなレベルでは影響があるのかもしれないが、マクロなレベルではなんの影響もない。”という意味に私は解釈しました。.

床敷について,いろいろ活発な議論が行われていたようで,責任上?もう一度この問題に触れてみます.
[USER_NAME]さんの問い合わせの時に,悪いクセで自分の手にはいる初出文献をひいてしまいました.
中途半端ですので,もう一度他の文献を引用します (これもひと昔前のものですが,最初からこちらを引用すればよかった・・・).

American College of Laboratory Animal Medicine Series
Laboratory Animal Medicine 1984, ACADEMIC PRESS, INC. (実験動物医学)
Chapter 17 Design and Management of Animal Facilities(動物施設のデザインと運営)
著者 J. R. Hessler and A. F. Moreland
III. Management(運営)
B. Feed, Water, Bedding(飼料,水,床敷)p523
より一部を引用します.和訳しましたが,間違いがあればご容赦下さい(原文は省略します). 
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概して言えば,北米産の各種のマツ(white pine,yellow pine),アメリカスギ(red ceder, エンピツビャクシン?)のような芳香性の柔らかい木材(soft wood)は床敷の素材としては避けなければならない.なぜならば,肝臓のミクロソームの酵素に変化をきたす能力のある揮発性の炭化水素を放出するため,他の潜在的な毒性効果に加えて,直接的あるいは間接的に研究のデータに影響をおよぼす可能性がある.そして,soft woodの床敷は呼吸器系の感染症に感染する確率を高めることが示され,繁殖率を低下させる可能性があり,さらに発がん物質として働く可能性がある.もし木材の床敷を用いるならば,カバ,ブナ,カエデといった固い木材(hardwood)を用いたほうがよい.ポプラもまた,よくない副作用を起こさないので,用いられてきている.
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それぞれの文章に,参考文献がいろいろたくさんくっついていましたが,全部省略しました.

種差,系統差,個体差があり,(あくまで統計的なデータから判断されたものですから)個別には何ともいえませんが,運が悪いと以前引用したphodopus.txtに書いてあるように調子が悪くなることもあるわけです.上記の北米産のsoft woodに関しては,少なくとも研究用床敷としては現在では用いられていません(前にも書いたように米国では研究用規格準拠品としてはカバ,ブナ,カエデ,ポプラが使われています).

日本の杉の木 (Cryptomeria japonica) は日本独自の樹木といってよく,問題になっているヒマラヤスギ(Cedrus Deodara) とは別属です.問題となるのはマツで(マツについては私もわからないので牧野の日本植物図鑑をみています),アカマツ・クロマツはPinus属ですが,カラマツはLarix属です.

なお,国産のスギ・マツに関しては,上にも書いたように勉強不足でわかりません(この手の検定は人手と時間がかかるので,体系的な報告が出ていないかもしれません).

(おまけ)床敷の製造行程ですが,以下のようになっています.
製材・・・材木を適当な大きさにします.

(乾燥)
↓ 
加工・・・チョッパーという機械で切削します
↓ 
脱粉・選別・・・要するに「ふるい」にかけるわけです 

(乾燥)

製品によって最初に乾燥させるものと,最後に乾燥させる場合があります.この際加熱処理が行われるわけですが,加熱するとかなりの揮発性物質は抜けてしまうはずです.ですから処理の方法によっても製品としての床敷のなかに含まれて,出てくる物質の成分およびその量は異なるはずです.

夜も更けたことですし,疲れたのでこのあたりでやめます.

投稿日時:
投稿者:USER0046

[USER0046]です。

「悪いのは杉で松じゃない!」とおっしゃりたいのですね>[USER0046]さん

[USER_NAME]さん,反論を!

そ、そんなつもりは毛頭....(@_@)
うちのゴールデンハムスターの「生産者」さんにそんな!失礼なことは....何回かしたかな?

「スギ」には殺菌・殺虫効果があります。あの香りがその成分です。
葉っぱはお線香の香料にもなります。日本人が大好きな香りですね。
でももっと殺菌効果の強いのは「ヒノキ」ですね。ヒノキチオールってやつですか。
ヒノキのお風呂は削りなおすといつまでもあの香りがします。

「マツ」は高級材なんですがヤニが困り者なんです。割れやすいし。
でも「松葉落ちてもふたりづれ」っていうくらい夫婦円満のシンボルなんですよ。

住宅材にはマツよりスギ・ヒノキの方が多いでしょうね。

ハムのお世話の傍ら、[USER_NAME]に勤務しています。

それで木材にお詳しいのですね!

設計事務所で内装の設計のお仕事をしていた過去が....。
今は木材ちっとも扱っていません。

木材のお話しなら[USER_NAME]さんの方が....って女子大生は夏休み中か。
#[USER_NAME]さんダンボール専門だし....って違う違う。