目の構造と視力・アルビノの赤目と欠点

形態視や色素など、ハムスターがどう見ているのか、なぜそう見えるのかを分かりやすく解説しています。
アルビノの遺伝子や目の色の違い、懐きにくい理由が分かるかもしれません。

投稿日時:
投稿者:USER0016

[USER0016]です.

視力はどうなんですか?
あまり良くないとは聞いたことがあるんですが。

うーん.視力ですか...眼科の教科書見ても人間の手術の方法しかのってないし・・・.
しょうがないので,学生時代に使っていた生物学事典(岩波書店1977:古い!)でとりあえずカンニングします(情けない).

視力:形態視眼において物点の空間上の位置を見分ける能力をいい,視空間(空感覚)形成の基礎をなす.云々...
(これだけでは何がなんだかわかりませんね)

形態視:像視ともよび,刺激光の強さ(明暗視)および投射方向(方向視)の識別に止まらず,外界の物点の空間的配置,換言すれば物体の形態を,網膜像を介して直接認知する知覚を言う.
(またまたわからない.以下中略)
鳥類や昼行性哺乳類では一般に形態視の発達が極めて良好で,これに反し夜行性哺乳類(ハリネズミ・イタチなど)はわずかな形態認識能力しか示さない.
(やっとでてきましたね.要するに,ハムたちは「もののかたち」をはっきり認識できないようです.)

哺乳類では,「視力」は眼の大きさや視細胞(眼の裏側にある,ものを見るために必要な細胞)の数・密度におおざっぱに比例すると考えてよいと思います(形態視に必要な神経細胞の量・質も問題になります).
ハムは眼が小さい! 

顔面が平面化し,眼が前面に向かって並んでいると,前方の空間を立体的に認識しやすくなります(ヒトとかサル).一方鳥類では,巨大な眼が顔の横についています.
自分の周囲全部の空間に注意を払う(高空から下界のえさを発見する,飛んでいる虫を発見する,天敵から身を守る)にはこのほうが都合がよいですね.
ハムの眼は斜め横といったところですね.

原因はどうやら手に付いたグルグルの臭いで、縄張り争いの「敵」と勘違いしたようです。

うちの場合は区別されてたんですねぇ,それが。

それでも毎日世話をしてやってるうちに,どうにか私のにおいを覚えたらしいのです。

齧歯類は,視覚が未発達なかわりに嗅覚に頼って生活しているといえますね.
研究用のマウスの例で恐縮ですが,一部の種類に「眼が黒く一見正常に見えるのに,ある種の突然変異遺伝子のために眼の見えない」ものがいます.もちろん普通に餌を食べ,水を飲み,こどもをちゃんと育てます(全く普通のマウスと行動の区別ができませんでした).

なおアルビノの赤目ですが,突然変異により色素ができないため,血液の色が「眼の色」に反映されています.ついでに白人の碧眼(青眼)ですが,青い特別な色素があるわけではなく,単にメラニン色素の量が少ないだけです(多いと黒目に,若干少ないと茶色に,より少ないと青眼に見える).青眼の白人が夏にサングラスをかけているのはダテではなく,余分な光を吸収してくれるメラニンの量が少ないので「まぶしくてしょうがない」ためです.お気の毒なことです.

脱線しすぎたのでここらで失礼します・・・.

投稿日時:
投稿者:USER0019

[USER0019]@投稿数が多くてすいません。

視力はどうなんですか?
あまり良くないとは聞いたことがあるんですが。

うーん.視力ですか...眼科の教科書見ても人間の手術の方法しかのってないし・・・.
しょうがないので,学生時代に使っていた生物学事典(岩波書店1977:古い!)でとりあえずカンニングします(情けない).

わざわざ調べて下さったんですね。ありがとうございます。

鳥類や昼行性哺乳類では一般に形態視の発達が極めて良好で,これに反し夜行性哺乳]類(ハリネズミ・イタチなど)はわずかな形態認識能力しか示さない.
(やっとでてきましたね.要するに,ハムたちは「もののかたち」をはっきり認識できないようです.)

やっぱりそうなんですね。
ケージに付属している、針金(?)でできた細いハシゴをあまり認識できないのは、目が悪いからだったんだ。
#また、一つハムより賢くなったぞ。(^_^)

齧歯類は,視覚が未発達なかわりに嗅覚に頼って生活しているといえますね.
研究用のマウスの例で恐縮ですが,一部の種類に「眼が黒く一見正常に見えるのに,ある種の突然変異遺伝子のために眼の見えない」ものがいます.もちろん普通に餌を食べ,水を飲み,こどもをちゃんと育てます(全く普通のマウスと行動の区別ができませんでした).

そういえば、まだ目が開いていない子が、巣から出てきて同じところにオシッコをして、そして巣に戻って行くのを何回か見かけました。ハムの嗅覚ってすごいですね。

最近発見したことをちょっと。
ハムを部屋に放している時に立っている人が、急に手を高く上げると、ものすごいスピードで物陰に隠れてしまい、しばらくそこから出てこなくなります。
ケージにいる時でも急にケージの真上に手を持っていくと、やっぱりすごい勢いで巣の中へ走り込んでしまいます。

これは鳥か何かに襲われるのを防ぐための行動なんでしょうね。
この行動をとるってことは目が見えているってことですね。

[USER0019]@さあ、仕事、仕事。

投稿日時:
投稿者:USER0044

[USER0044](+♀)@ボタンマウスです.

私はこれまで、赤目というとすぐアルビノだ〜って思ってたんですが、これは間違いなんでしょうか?どうも最近そうではなさそうな気がしてきて...


アルビノと赤目ですが,最近しっかりフォローしていない内容(気の毒なのは学生ですね)なので,若干焦っています.自分の専門分野に近くて,ついこのあいだ学生相手に遺伝学関連の講義をしたのですが...

<<動物の毛色と眼の色について>>
ハムスターの毛・皮膚・眼の色に関しては,まとまった文献がない(あるかもしれないけれど,検索していない)ので,詳しいことはわかりません.よって,一般論?で逃げさせていただきます(情けない).

哺乳類(特に齧歯類)の毛・皮膚・眼の色は,大まかに言うと,「色素細胞(毛や皮膚や眼に色をつけている細胞)の中に入っている,「黄色いメラニン色素の入った顆粒」と「黒いメラニン色素の入った顆粒」の量・質および分布で決まっています.この量・質および分布は,動物の種によって異なります.

もちろんゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターにおいても,いろいろな毛色のバリエーション(変異)があります.毛・皮膚・眼の色の変異には多くの遺伝子が関与しています(マウスの例で恐縮ですが,数10以上の遺伝子の関与がわかっています).

突然変異の代表的なものとして,ご質問のアルビノがあります.これはメラニン色素が全くなくなる突然変異です.メラニン色素は,色素細胞中でチロシンという物質からtyrosinase(チロシナーゼ)という酵素の働きによって,作られます.アルビノでは,酵素チロシナーゼができないために,メラニン色素が全くできないのです.この酵素ができなくなるのは,Tyrと名付けられた遺伝子自体が突然変異(遺伝子レベルでの異常)を起こしているからです.

アルビノは,ヒト,ネズミ,ヘビ,ウサギ等の多くの動物種に見られます.前にも書きましたが,眼が赤く見えるのは,血液の色が透けて見えるからです.いわゆる「白ウサギの赤目」の瞳の部分をよく見てみるとわかりますが,色素が全然なくて血液の色が反映されるため,正面から見ると眼の虹彩は淡紅色,中心の瞳孔は深紅色に見えます.横から見るとほとんど透明に見えます.

Tyr遺伝子の突然変異には,アルビノの他にもいろいろ種類があります.ちなみにマウスでは今年のはじめまでに19種類知られています.突然変異の種類によって酵素チロシナーゼのできる量に差があり,毛の色がほとんど白に近くても,眼の色は「(アルビノの透けた赤と異なる)ルビー色」になったり「黒いまま」であったりします.

Tyr遺伝子以外の他の遺伝子で,毛・皮膚・眼の色を変化させるものもたくさんあります.毛色が淡い色になると,眼の色も薄くなる(マウスやハムスターでは眼の色が「ブドウ色」「ルビー色」「赤色」に見える)ものがあります.しかしながら,アルビノのように「メラニン色素が全くないため透明だが,血液の色が透けて見えるため,結果として赤く見える」のではなく,「黒目よりは色素の量が少ないために赤く見えている」のです.

実際ハムスターでもわざわざ赤目を選んでいる人もいるくらいなので、どうなんだろうって思います。

アルビノの個体は,まっしろですから目立つので,野生では天敵に見つかりやすいため,生き残っていくのが大変です.また,視覚に頼っている昼行性の肉食動物では,「まぶしくて見づらい」ために餌をとるのが難しくなります(レオ君は黒目です.アルビノじゃないですね).しかし,単にメラニン色素ができないだけで,からだが虚弱ということはありませんから,安心してアルビノのハムたちにつきあって下さい.

なお,ジャンガリアン,ロボロフスキーでおなかの毛の色が白いとか,ゴールデンハムスターの「ぶち」は,Tyr遺伝子とは無関係で,他の遺伝子の影響です.