もうオヤジとは言わせない!コレさえ読めばハムスターの達人に!

快・不快ストレスと転位行動

快ストレスと不快ストレス

誰かに期待されているときなど、やる気に満ちているときに感じるストレスを、「快ストレス」といいます。その反対に、逃げたいと思うときに感じるストレスを「不快ストレス」といい、ストレスという場合は不快ストレスのことを言うことが多いです。
快ストレスを感じ頑張りすぎる職人気質の人は、疲れを感じる器官が疲れてしまい、疲れを感じなくなることがあるので注意しましょう。

毎日欠かさず、縄張りの偵察(散歩)に行くことができるハムスターは本能を満たせ、快ストレスを感じているので心も健康的になります。その逆に、飼育環境が悪かったり、飼い主を怖がっていると、ひきこもり状態を作り、不快ストレスを感じやすくなります。
回し車はハムスターが自主的に走りますが、満たせない要求を満たすための転位行動なので、やや不快ストレスで、回し車がないとストレスが溜まる一方なので、必ず回し車はケージの中にセットしてあげましょう。判断が難しいと思いますが、いつでも走れると思った方が良いこともあるので、怪我をしているときでも、回し車があった方が良いこともあります。

ハムスターがなついていると、ストレスを感じないと思うかもしれませんが、餌をもらうなど、飼い主の行動に合わせて自分も行動する必要がある場合は、情報収集器官を敏感にして飼い主を捜したり、巣箱から飛び出したりするなど、ストレスを感じています。
それが楽しみなら、快ストレスなので良いストレスです。しかし甘やかせて育てていると、おやつが少ない、ケージから出られない、飼い主がなかなか家に帰ってこないなど、思い通りにならないと考えると、イライラして不快ストレスを感じてしまいます。これは「貧困妄想」といい、他人から見れば幸せでも、本人からすると絶対的な変化なので、甘やかせすぎないよう注意しましょう。
まずは、ストレスを感じさせて行動させるのではなく、1日のリズムに合わせてハムスターが無理なく行動(血圧や血流のコントロール)できるように、世話の時間を決める必要があります。しかし、日の入りや温度などに影響されやすい体質のハムスターもいるので、時計通りではなく、ハムスターの行動によって、時間に余裕を持たせることも大切です。

餌を受け損なって、仰向けのまま餌を食べることがありますが、早く食べなければならないと思っている行動です。それが、早く食べれば次があると思う快ストレスなのか、早く食べないと襲われると思う不快ストレスなのか、判断の難しいところです。
ミルワームのような動く餌でも、動かなくすると、すぐに元に戻って食べたり、ほお袋に入れるのが本来の姿で、そんな体勢では情報収集器官まともに使えず、おいしいということも分かりにくくなり、不健康になるきっかけを作ってしまいます。

ハムスターは人間を怖がりますが、頭の良い動物なので、甘やかせすぎない(過保護、ひきこもり)にしない、餌はいつでも食べられるようにする、快眠できるように飼育環境を整えるなど、ハムスターの生態に合わせた生活ができるようにすれば、野生動物なら不快ストレスだったストレスも快ストレスになり長生きできるので、基本的なことを怠らないようにしましょう。

ストレスと転位行動

勉強しようと思うと机の上の汚れが気になり掃除をしてしまうのに、掃除をしよう思うと床に散らばっていた本を読んでしまったりと、解決しにくかったりできないことを実行しようとすると、行動が簡単な別の要求を満たそうとしてしまいます。
おそらく、解析が足りていないので、転位行動という言葉では、「関係のない行動をする」と表現されているところだと思います。

ハムスターの場合は、縄張りの巡回をして安全かどうか確認したいのに、ケージの外には出られないと理解してしまうと、走る(歩く)という要求だけを、回し車を走ることで満たそうとします。回し車は、散歩をさせていると、あまり使わず、ケージが広いと、さらに使いません。
他には、本当の要求が、餌の量が足りない、餌の栄養が足りないなど食べることだと、囓ったり、無駄に食べたりします。さらに、ストレスが溜まり神経が過敏になると、毛づくろい(顔を洗ったり、体を引っ掻いたり)したり、砂浴びしたりと、何かしら関連する行動を行います。

たとえば人間の行動だと、一人でいると寂しいと感じて、テレビを見た、友達に電話したなど、状況や環境などで行動が違いますが、自分のことだと、考えれば要求と行動の関連性が見つけられると思います。しかしこの例でも、近くにあったのがテレビのリモコンか携帯電話かで行動が違い、他人がその行動だけを見ても、ストレスからの転位行動なのか、単なる要求なのか簡単には分かりません。
生き物は、間違いはしても、無駄なことはしないので、ハムスターの性格や飼育環境を理解して、ストレスの原因を自分で取り除けるようになりましょう。