ハムスターの総合サイト「ハムエッグ」

近親交配・カラーハムスターの弱さと危険性(4/9)

投稿日時:
投稿者:USER0038

[USER0038]です.

#この文章では否定的側面しかでていませんが,「疾患感受性」はかえって研究に役立ち,積極的に残したりします.

#のところを引用して申し訳ないのですが、「疾患感受性」っていうのは例えばノイローゼとかストレスを受けやすい個体とかそういうものなのですか?



特定の病気にかかりやすい(逆に抵抗性の場合も)疾患モデルとなるようなものは原則としてすべて相当します.実は先日,日本疾患モデル学会開催のお手伝いにいっていたのですが,その中から講演タイトルから適当に抜き書きしてみます.
・ヒトKinky-hair病(Menkes病)とBrindled Mouse
・ヒト先天性水頭症とHTXラット
・ヒト家族性小脳症とWeaver Mouse
・自然発生円錐角膜様病変について
・遺伝性行動異常マウス
・自己免疫疾患マウス
・乳癌発生能の異なる4近交系
・遺伝性てんかんラット
・筋ジストロフィーマウス
・遺伝性高脂血症ウサギ
・インスリン非依存性糖尿病モデル
・Charcot-Marie-Tooth病1A型モデル
・遺伝性溶血性貧血モデル

・・・こういった紹介でかまいませんか?
ここでは詳しく取り上げませんが,ウイルス疾患に対する感受性,腫瘍発生に対する感受性等の研究が特に進んでいます.(一般的な意味においての)「ノイローゼ」のような高次の精神機能に関するモデルは今の所ないといってよいです.

兄妹交配により,劣性の突然変異遺伝子がホモになり,いろいろな突然変異遺伝子が表現型として観察できる場合があります(例えばアルビノもその一例です).

アルビノとアルビノから生まれる子は必ずアルビノとなるのでしょうか?
アルビノとそうでない親から産まれる子はアルビノとはかぎらない?
もしそうならアルビノが生まれる確率はどのくらいなのでしょうか?

優性の対立遺伝子を大文字,劣性の対立遺伝子を小文字で表記します.
有色(優性)の対立遺伝子をC(大文字),アルビノ(劣性)の対立遺伝子をc(小文
字)で書き表します.

アルビノとアルビノから生まれる子は必ずアルビノとなるのでしょうか?


      親の交配       生まれる仔
cc(アルビノ)x cc(アルビノ)→cc(アルビノ)
この組み合わせでは,アルビノしか生まれません.

アルビノとそうでない親から産まれる子はアルビノとはかぎらない?

そうでない親(有色)には2種類あります.有色の対立遺伝子は優性ですから,CC(ホモ)およびCc(ヘテロ)の場合有色になります.よって,
親の交配  生まれる仔
cc(アルビノ)x CC(有色,ホモ)→Cc(有色,ヘテロ)
この組み合わせでは,全ての仔が有色になります.アルビノは生まれません.

cc(アルビノ)x Cc(有色,ヘテロ)→cc(アルビノ):Cc(有色,ヘテロ)=1:1
この組み合わせでは,アルビノと有色が1:1の割合で生まれます.

もしそうならアルビノが生まれる確率はどのくらいなのでしょうか?

他の組み合わせも書いておきます.

CC(有色,ホモ)x CC(有色,ホモ)→CC(有色,ホモ)
これは単純ですね.全部有色ホモです.

Cc(有色,ヘテロ)x CC(有色,ホモ)
→CC(有色,ホモ):Cc(有色,ヘテロ)=1:1(ただし全部有色)
この組み合わせでは有色の仔しか生まれません.ホモとヘテロは1:1の割合で生まれますが,見た目には区別がつきません.

Cc(有色,ヘテロ)x Cc(有色,ヘテロ) 
→CC(有色,ホモ):Cc(有色,ヘテロ):cc(アルビノ)=1:2:1
この組み合わせでは,有色とアルビノの比率が3:1になります.

上の説明で下の文章を御理解いただけるでしょうか?

ところが,もとの2頭の親が,アルビノ突然変異遺伝子(単一の劣性突然変異遺伝子)を持っていなければ,どれだけ兄妹交配を繰り返しても,新たに突然変異が起こるのでない限り,アルビノが形質として発現することはありません.また,おおもとの親にアルビノの対立遺伝子があったとしても,兄妹交配の途中でアルビノ対立遺伝子が落ちてしまえば(もちろん人為的に簡単に落とすこともできます),子孫はアルビノにはなり得ません. だから,兄妹交配を繰り返したからといって,アルビノ等の突然変異が出やすくなるとはいえないのです

兄妹交配を繰り返すと,(劣性の突然変異遺伝子のホモ化により)の体格の小型化がおきることがあります. ただ,体格のよい仔を次代に選抜して子孫を残すことができますから,逆に体格の大きな系統を作ることもできます.ランダムな交配でも,もちろん体格のよくない子は生まれます.

体格のよい仔を次代に選抜して子孫を残すことができるというのは、生まれてくる子の中から体格の良い子を選び出し、その個体同士を交配させるということですか?

一般的にはそのとおりです.最も単純な系統育成をする際には,「親がよく仔を産み育て,その仔のなかで体格がよくておとなしい仔」が選抜されて次代の兄妹交配が行われることが多いです.
#現在では,マウス等では体の大きさをかえる遺伝子の,染色体にのっている場所(
遺伝子座)がたくさんわかっています.

2「アルビノでなくて,毛の色を白くし,かつ有害な」突然変異がマウスですでに見つかっています.この点も混乱の原因となっているようです.

白いからアルビノって決めつけてはいけないってことですね。

そのとおりです.
たとえば,マウスではWとかSlとかいった遺伝子がよく知られています.Wを例にとって説明します.この突然変異遺伝子の特徴として,以下のようなものがあります(専門用語を敢えていれます).
(1)赤芽球系の異常(貧血)
(2)マスト細胞欠損(免疫系の異常)
(3)メラノサイトの異常(要するに色が白くなります)
(4)生殖細胞系の異常(不妊)
(5)カハールの間質細胞の異常(消化管運動障害)
Wの遺伝子本体ですが,ハムスターにも必ずありますから,同じ様な突然変異がある可能性があります.

マウスの場合,W遺伝子(対立遺伝子が多数見つかっていますから,もっとも古く発見された突然変異の例を取り上げます)のホモでは黒目で白毛,生まれて1週間以内に死んでしまいます.ヘテロでは遺伝的背景(他の遺伝子の影響)によりますが,一般的に白い斑点があり,貧血は起こさずちゃんと子どもをつくります.

「有害な」というのは奇形などの劣性突然変異遺伝をもっている個体ということですか?

ここでは,「致死(死んでしまう)場合を含めて,生存・繁殖等に不利な」突然変異という意味で使っています.

(2)ドワーフハムスター
(チャイニーズを除く)ドワーフハムスターに関しても,最初はクローズドコロニーによって維持され, 毛色の特徴等による選抜が行われてきたはずです.少なくとも,日本に最初に入ってきたジャンガリアンハムスターは,長い間厳密なクローズドコロニーで維持されてきました.このコロニーのハムスターがどの程度ペット市場に流れ込んでいるかどうか調べていませんが,このコロニー由来でしたら,生存に有害な遺伝子はすでに(かなり)除去されてしまっているはずです.

コロニー由来なら有害な遺伝子はかなり除去されてしまっているというこ
となのですが、コロニーでは

「近交係数*を上昇させない(できるだけ遺伝的多様性を保ったままにしておく)」
ような交配をしているクローズドコロニーの維持方法があります.

ですよね。つまりコロニーではできるだけ自然に近いような状態を残して
いく、つまり劣性突然変異遺伝をもった個体もいるよというふうに理解し
てしまったのですが、どうも違うみたいですね。

人為的淘汰を加えず,交配するペアが充分に組める場合,劣性突然変異遺伝子は(変動はあるものの)ある一定の割合で,もちろん残っていきます.しかしながら,「生存・繁殖に有害な」突然変異遺伝子はどうしても減っていきます.

きっといくらコロニーだからといってもそこはクローズドなのだから、交配が進むにつれて有害な遺伝子は除去されてしまうと思えば良いのでしょうか?

そうなってしまいます.

それと有害な遺伝子を除去するのは人工的に行うのでしょうか?

(積極的に)有害な遺伝子を除去するような組み合わせで交配することももちろんあります.

*近交係数:近親交配によって,個体の遺伝子がホモに程度を表す量.

「近交系作成ゲーム」のところですが、

(4)ここで,野生の♀の生殖細胞(つまり卵子)と野生の♂の生殖細胞(つまり精子)が受精したとします(ここでは1と3).

なぜ1と3なのかがよく分かりませんでした。(^^;;
1と4ではなぜだめなのか?

全くかまいません.煩雑になるので1と3,2と4にしただけです.1と4,2と3
でもいいです.
あたりまえですが,1と2,3と4はだめです.

そもそも、野生の♀or♂の減数分裂した細胞はなぜ2つずつなのかが分かってないのです。

すみません.わかりやすく書くために,「2つずつ」書いただけです.「次世代に残る任意のふたつづつ」と考えてみて下さい.

こんな説明でいいでしょうか?それでは取り急ぎ失礼します.