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ハムスターと穀物と農薬(3/7)

投稿日時:
投稿者:USER0054

どうも、[USER0054]です。
ちょこちょこと農薬に関する記事が出てきていますね。
専門外ではありますが、一応「地球環境科学」と名の付く機関に所属している身なので・・・。間違いもあると思いますが、そのときはご指摘ください。

1 農薬について
穀物や野菜をはじめとした全作物における被害状況は、害虫による被害:10〜20%、病気による被害(菌やウイルス):10〜20%、その他:10%、となっているようです。今のところ、これらの被害を防ぐ手だては農薬以外考えられません。しかし一口に農薬と言っても、作物によって病気や害虫の種類が変わりますし、一作物をとっても被害に遭う病気や害虫は多くの種類が存在します。さらに除草剤を含めると、かなりの種類があるということになります。

問い合わせた結果、少なくともかみさんの実家で栽培されたお米の場合、農薬は7月か8月頃に1回だけ散布するということでした。

「農薬」の定義を「病害虫薬(正式名称は知らん)」とするならば、多くても2回というところでしょう。しかし「除草剤」を含めますと、5回を越えるところが多いようです。それと、最近の朝日か日経に載っていた

一般的に、特定の作物を大量に栽培している産地では、大量・多種類の農薬が使われている傾向があるようです。[USER_NAME]さんの実家のように、個人的な規模であれば問題はないと思います。現場については詳しく知りませんが、日本の農薬の使用量(金額)はアメリカに次いで第2位です。比率からすると相当量の農薬が消費されているということになります。

ところで、ヒマワリの種は洗わなくても大丈夫なのでしょうか?
あれだけ大量に売られているということは、どこかで栽培されているのですよね?栽培するということは、恐らく農薬も使うでしょう....。
ペット用に売られているからといって安心してはいけないのかな。

北海道には大量に栽培している産地があるらしいのですが、農薬の使用状況についてはよくわかりません。ちなみに、ひまわりの種子から取れた油(外国産)に残留農薬が検出された例はあります。ですから、洗えばいいという考えは通用しない農薬もあるということです。

また、”無農薬栽培”と称しているところでも、以前大量に作物を栽培していた土地をそのまま使用しているのであれば、残留農薬を吸い上げて蓄積している可能性もあります。実際、1976年に使用禁止となった殺虫剤が、未だに一部の作物から検出されている例があります。古い農薬のほとんどは天然界で安定であるため、使用されなくなった今でも様々なところに蓄積・濃縮されています。

さらに、農薬は作物だけに蓄積されるわけではありません。大地はもちろん、大気や水圏に蓄積され、食物連鎖を通して他の生物に濃縮されていくのです。
魚介類の残留農薬検査でも、高濃度の農薬が検出されています。たとえば、鳥肉を食べるにしても農薬を使っているエサを与えているのであれば、農薬漬けの野菜を取るよりも多くの残留農薬を取り込むことになります。

[USER_NAME]さんが書かれている「殻の表面はもちろんのこと....」というのが、稲>> 穂が出た後で散布された農薬が付着・蓄積されるということを言っているの>> でしたら、日本のお米の場合はそれほど心配はないのかもしれません。

そうではなくて、根から吸収された農薬が「殻」に蓄積される傾向があるということだと、殻付きであげるのは問題ですね。

私もただ「危ない」と聞いただけなので、どちらなのかは分かりません。

国産の作物に関していえば、直接散布された農薬よりも大地より吸収された農薬の方が問題になると思います。植物の場合、栄養分を種子(ジャガイモなどでは塊根)に集めるので、他の部分より高濃度で蓄積されていると思います。お米の籾殻も蓄積される傾向があると聞いた覚えがあります。

輸入品については、[USER_NAME]さんのご指摘の通り、強力なポストハーベスト農薬が使用されています。その毒性はもちろんのことですが、植物がポストハーベスト農薬を吸収・代謝することによって新しい物質が生成する可能性もあります。一般には生体内の解毒作用により、無毒化される場合もありますが、植物や農薬の種類によっては逆に活性化してしまうおそれもあるそうです。
また、無毒化されるといっても、その生体にとっては無毒であるが他の生体に関しては有毒である場合があります。ま、このことに関する研究はほとんどなされていないため、そういう可能性がある、というところで実際はよくわかりません。しかし、確実に輸入品の多くは薬漬けなのでよく洗いましょう。

このように書くと、もうなにも食えねぇー状態ですが、未来はそんなに暗くはありません。安全性については着実に向上しています。除草剤の開発にしても、植物ホルモンを利用したり、防虫剤でもホルモンや性フェロモンの利用など、天然に存在かつ選択毒性の強い(目的の害虫や菌にしか影響のない)農薬の開発が進んでいます。特殊な例ですが、南西諸島のミカンコミバエやウリミバエ根絶などは、農薬を全く使わない成功例だと思います。現在使用されている農薬も、以前ほどの強力な毒性を持っていることはなく、より分解されやすい農薬へと移行しているようです。

関係ないことですが、手元にある本「農薬の化学」の冒頭では、

今までの農薬の歴史の中では、「有害」とか「自然界のバランスを壊す」とかいう認識が出てもおかしくない事実もあったのであるが、しかし現在はこのような事実はすでになくなったといって差し支えないし、起こりようもないのである。
(中略)
したがって、今日我々が使用しているものは「極めて安全な農薬」と考えてよい。

とあります。ちなみにこの本の著者らは大手農薬開発メーカーのお偉いさんです。

農薬はいつも悪役として扱われていますが、農薬なくして現在の発展は考えられません。まあ、今後の研究・開発に期待しましょう。

#私の研究も、究極的には「農薬を使わないようにできる!」が、うたい文句です。看板だけにならないよう努力します。

えーと、あまり実用的な話ではなっかたですが・・・。

参考:新版「農薬の化学」大日本図書
   「新しい農薬の科学」廣川書店
   「残留農薬データブック」三省堂

「残留農薬データブック」には、作物別のデータが載っているので、また暇があればまとめてみます。