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ハムスターの毛色の遺伝とメンデルの法則(2/13)

投稿日時:
投稿者:USER0445

[USER_NAME]@The Proper Care of Hamsters by Mays

遺伝 Geneticsの章を抄訳します.この章はAnne Drayという人が書いています.
適切でないと思われるところは書きかえて補足しました.
生物一般について書かれているのですが,ハムスターの話にしてしまいました.

たいていの人は,親と子が似ている(遺伝)けれどいろんな点で違っている(変異)ことにも気が付いているだろう.
遺伝学(genetics)は,どのようにしてこんな変化が起こるのかを明らかにしようとする科学である.

ハムスターは,生殖により親から子へいろいろな情報が伝えられて形質(character)を受け継いでいく.
この情報は,遺伝子(gene)と呼ばれる構造に入っている.
ハムスター特有の遺伝子の構成は,ハムスターのゲノム(設計図)と呼ばれる.
ゲノムによってハムスターの形質である 姿かたち,生理機能,行動などが決まる.

遺伝子は細胞の核内の染色体の中で情報ごとに分けられている.
染色体の数は種によって違う.
  ヒト46本  ウマ64本  イエバエ12本  ゴールデンハムスター44本
染色体は,父より半数,母より半数同じ大きさと形のものを受け継ぐが,それらは相同染色体と呼ばれる.

互いに対になっている形質を対立形質と呼ぶ.それらの設計図である対になった遺伝子(対立遺伝子)は相同染色体上の同じ位置(遺伝子座)にある.

対立遺伝子の組み合わせを遺伝子型(genotype いでんしがた)と呼ぶ.
また,対になっている形質のうちハムスターに現れているほうの形質を表現型(phenotype ひょうげんがた)と呼ぶ.
表現型の変化にブリーダーが気が付くと,遺伝的にどのように変わったのかを調べようとする.     

自然界のハムスターは,それが住んでいる限られた環境の中で自然淘汰(natural selection)を受けて,長い時間をかけて進化(evolution)してきており,その場所に最も適応した表現型となっている.
この表現型(姿かたち)の後ろには,遺伝子型(設計図)が隠れていて,標準的な生息地に最も適応した子孫が生まれてくるようになっている.

進化における自然淘汰説を語ったのは,19世紀のイギリス人ダーウィンだったですよね.
キャンベルとウィンターホワイトの生息地は違うので,進化の過程が異なってきています.
イギリス人は,自然が気が遠くなるような時間をかけてつくりあげてきた違いを大切にしているわけです.
ご先祖さまからの血統と前に書きましたが,それは自然がつくりだした違いのことです.
(人の手による毛変わり品種の血統とは別です.遺伝学用語では純血種ではなく,昔は純系,今では近交系という言葉が使われています)
この違いを大切にするということは,[USER_NAME]さんのメールにあったナキウサギの話しのように人間の自然破壊に対する生態系の保護につながると思います.
日本のトキやコウノトリが絶滅しかけて,しかたなく中国産のものと交配させていましたよね.
外見は似ていても,設計図であるゲノムの違いは分子生物学的手法で調べないとわかりません.
もし野生のキャンベルが絶滅しかけたら,飼われているキャンベルがもといた場所に返されることになるのかも.

次は,突然変異と遺伝の法則について訳します.