ハムスターの総合サイト「ハムエッグ」

実験動物用飼料の危険性と危険性(1/2)

投稿日時:
投稿者:USER0055

[USER_NAME]♂です.またまた♀のメールを借りてます.

たぶん、一般的なお話をしただけかもしれませんね。
ビタミンは大量に必要とは言わないけど、ハムスターフード中心の食事の場合、ビタミン不足になりがちですもんね。

固形飼料(つまりハムスターフード)に対して,誤解?があるようなので,以下の文章を引用しておきます(newsletterです).

「がん」との絡みでの,回答のようなものにもなります.

JCL NEWS No.4 1992年10月

「実験動物用飼料の歩みと今後の課題」

日本配合飼料・中央研究所取締役所長 永井康豊氏

GLP以前の飼料
1960年代ラットやマウスの飼料に固型飼料が用いられ始めた頃、これらの動物は実験の途中にガンや肺炎などの病気にかかって、よく死んだ。動物が病気にかかるのは体力の弱まりが原因である。体力が弱まるのは栄養が不足しているからではないか、との反省から、ラットやマウスの栄養要求と固型飼料の栄養組成の研究が各国で進められた。そして、蛋白質源、エネルギ一源や必須脂質の起源としての動植物原料の質や、添加すべきビタミンやミネラルの量や分子の形態についての知識が集積された。他方、栄養だけで動物の疾病が防げるものでないことは明白であり、SPF動物の作出と、バリヤー内での飼育と管理の技術が生み出された。バリヤー内での使用のため、滅菌に耐える飼料が工夫され、ここで実験動物用固型飼料が世に受け入れられるものになった。飼料料の良し悪しは見た目だけでは分からない。しかし、動物の栄養要求が明らかにされている場合には、栄養素組成が分かれぱ、その飼料の性能についてはかなりの予測がつくようになった。飼料の栄養成分の分析値のほか、動物実験で得られる指標が示されると更によいが、その指標としては通常、表1.に示したような項目が用いられている。

以下略(表1も略します)

上の文章ですが,以前にも別の部分を引用したことがあります.
「ニッパイ」といえば,お世話になっているハムも多いことと思います.

ハムスターの飼料に関しては,ゴールデンで繁殖成績をも含めていろいろ研究が行われ,そのデータを元にして配合された飼料がつくられています.よって,名の通ったメーカーの固形飼料を中心とした餌を与えている限り,栄養状態が極端に悪くなるということは考えられません(病気のときは除きます).

固形飼料が完璧な飼料であるわけではありませんが,とりあえず余計な苦労をせずに栄養のバランスを保つことができます.よって,がん,その他の病気で早死にする可能性を低減させることができます.

餌のからみでもうひとつ.「汚染」について.

JCL NEWS No.4 1996年6月

「実験動物飼料の化学汚染物質分析成績」
その10年間の歩みと問題点

(途中から)
農薬類の分析について
人為的に用いられていた農薬類については、使用禁止などの措置によって総BHC‐総DDTなど有機塩素系の農薬は最近10年間950検体で全く検出されていません。唯一残留をしめしていた有機リン系のマラチオンも年々滅少傾向を示しています。このことはバイオテクノロジー等による無公害農薬の時代に変貌を果たしつつあることを示唆していると思われます。これら農薬類の残留量の傾向は当社のみではなく日本の飼料メーカ一の製品についても全く同様の傾向を示しておりますから、恐らく数千検体の分析を行って全く検出されていないと思われます。これらの分析結果を踏まえて安全とみられる農薬類については分析の緩和または削除を検討していただく時期に来ているのではないかと考えます。勿論これらは飼料メーカーの一存で決められるものではなく、専門の方々のご判断によってしかるべき機関で決定していただく必要があると思います。地球の環境汚染は核実験を始めさまざまな形で進んでおりますので、今後どのような物質が問題となり飼料においても分析項目に加える必要性が出てくるかもしれません。分析項目が際限なく増加することは、ご使用者にとっても製造者にとっても、さらなる負担を強いられることになると考えます。

重金屋類について
重金属類は土壌、鉱石等自然界に存在しているうえに人為的な垂れ流しが加わり地球上に広範囲にわたり存在しています。また、その用途も広く農薬ほど簡単に代替品が開発できない事情や自然分解し難い物質も多いために、今後共検出され続けると思われます。特に海水汚染は深刻で、飼料の貴重な動物性蛋白源である北洋ミールにはほとんどの重金属類が穀類や牧草類よりも多量に含まれ、今後とも我々を悩まし続けると思われます。セレンに例をとりますとミートボンミールの方がフィッシュミールより含有量が少ない傾向にありますから、動物性蛋白源としてミートボンミールに切替えればセレンの上限値に関ずる問題はたちまち解決するかもしれません。しかし栄養学的な見地からみるとアミノ酸組成の相違などマウス・ラットに与える影響を見極める必要性が新たに生じ、議論を呼ぶことになると思います。つまり≪飼料の配合不変の原則≫を曲げることは困難と思われます。従って、原料によるコントロールは自ずと限度があります。

さらに重金属類はさまざまな化学構造で自然界に存在し、化学構造によってその毒性には差があるといわれます。
1.ウサギに六価と三価クロムを投与した場合、血清生化学値の変化や肝の病理変化は六価の作用が強く、血球中の蓄積は六価の方が5倍程度高い。
2.メチル水銀はマウス・ラット・ネコでは投与量の95%以上が腸管から吸収されるが、無機水銀ではマウス・ラットの腸管からの吸収は2%以下、フェニル水銀では両者の中間を示す。
3.三価のヒ素は最も毒性が強く、ミルク中毒事件の原因となった亜ヒ素のウサギの経口におけるLD50は15〜30mg/kgであるが、五価のヒ素の毒性はこの1/5〜1/10程度である。またヒジキやウニには多量のヒ素が含まれ、時に100ppmに達するが、これらを食して中毒した報告はない。これら海産生物中のヒ素は有機体であり、無毒化されたと考えられている。
等その化学構造によって異ることが知られています。また現在実施されている分析方法ではこれらの化学構造まで特定することはできません。また、鉄、亜鉛や重金属類は相互に作用して互いにその毒性を抑制するなど、セレンの項で述べましたイルカやアザラシの例*のように巧妙な自然のバランス作用のあることが示唆されています。
このように見ていきますと重金属類には数々の形や作用があり、その全てが明確にされている訳ではなく、分析においてもその輪郭を把握しているに過ぎません。従って、基準値を小数点以下のppm単位で超えたから不適格飼料であるとすることが、果たして正しいのか?判断に苦しむところです。

(以下略)

*イルカやアザラシの肝臓から300ppm以上の水銀が検出された際,同時に100ppm以上のセレンが蓄積している例が確認されています.セレンには水銀やカドミウムとの間に拮抗作用が認められ,その毒性を抑制しているらしいと考えられています.
セレン自体は微量必須元素です.

ということで,飼料会社でも一定の品質を保つために努力されています.

なお,別にハムの餌として固形飼料を推奨しているわけではありません.
どのような餌をやろうと,どのような飼育法をとろうと飼い主の自由です.

それでは失礼します.